ファクタリングの基礎知識

知っておきたいファクタリング基礎知識

「ファクタリングってどんな仕組みで資金が得られるの?」「専門用語が多くて分かりづらい」という疑問を抱く経営者の方も少なくはないはずですので、その疑問に答えるべく基礎知識の解説をしていきたいと思います。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、支払い期日前の売掛金を債権譲渡契約によってファクタリング業者に割引売却する事で、支払い期日より早く資金を調達できるという仕組みになっています。

ファクタリングには売掛金売却者とファクタリング業者の間だけで取引が成立する「2社間取引き」と、売掛金売却者・ファクタリング業者・売掛先の3会社の合意によって取引が成立する「3社間取引き」という二種類の取引き方法があります。

会社の資金が足りないとき、融資を受けなくても売掛金を割引売却する事によって資金を調達できるのでオススメな取引です。

意外と長い歴史と日本での利用度は?

ファクタリングは新たな取引方法と思われがちですが、実は19世紀のアメリカでは既に行われていた一般的な商取引です。

債権を前倒しで現金として受け取れるため、前向きな投資をさらに加速させたことからアメリカの経済成長に大きな影響を与えたとも言われています。

しかし日本で一般的になってきたのはこの十年ほどのことではないでしょうか。

なぜ日本では定着しなかったのかというと、日本では手形取引が一般的だったため、類似しているファクタリングにはそれほど注目が集まらなかったからと言われています。

現在は経済産業省も中小企業にとっては有効な資金調達の方法である認めており急速に波及しています。

特に日本では2社間取引が主流となっています。これからさらに伸びが期待される分野ですので参入企業も多くなっています。

ですが成長期であることを考えると実績のある業者をしっかりと選ぶことが後悔のない取引へとつながるでしょう。

基礎用語を知っておこう

ここではファクタリングの実施方法を知るためにも、それに関係する基礎用語を分かりやすくおさらいしておきましょう。

 
1.売掛金

売掛金は売掛債権もしくは売上債権などと言われることもあります。

何かのサービスを行った対価として現金を受け取りますが、未収金のものを売掛金といいます。

建設業界や福祉業界などいくつもの業種分野では、こうした売掛金を用いた取引が一般的であり数か月後に実際の支払いが行われることも多くあります。

ファクタリングではこの満期がまだ来ていない未収金の売掛債権を早期に売却することで資金を調達します。

 
2.債権譲渡登記

『売掛金を我が社からA社に譲り渡しました』という事を公にする手続きの事です。通常は法務局でそのような手続きを行います。

こうすることで債権の架空取引や損害を防ぐことができますので、ファクタリングにおいては必須の手続きの一つとなっています。

手数料とは別に別途費用として債権譲渡登記の手続き費用の請求を行うファクタリング会社もあり、売掛金を現金化したものの少額の場合は債権譲渡登記の費用で殆ど残らないということもあります。

なので、買取手数料にこのような費用が含まれているのか、別になっているのかなどを事前に確認しておくのが安心です。

 
3.償還請求権

ファクタリングを利用しようと思った時にでてくる必須ワードの一つが『償還請求権』です。

まず考えておく言葉として『償還請求』について考えてみると、これは債権を発行した会社が倒産などをして債権不履行となった際に、それに対する補償を行う事です。

売掛債権を担保にした銀行などによる融資では償還請求権が設定されるのが通常です。

つまり債権不履行となった場合は債権を担保にお金を借りた側は損失を補てんする必要が生じるわけです。

しかしファクタリングは売掛債権の売買ですので、償還請求権は基本的に発生しませんので、売却後の債権については責任を負う必要はないのです。

 
4.償還請求権なし

もし売掛債権を発行した会社が倒産などした場合でも、債権を売却した側がその現金を支払う必要がないことを意味します。

ノンリコースという表現が使われることも多くあります。

最近のファクタリング取引はノンリコースで行われることがほとんどですので、リスクを回避する面でもノンリコースでの取引を行ってくれる会社を活用するのがおすすめです。

 
5.2社間取引・3社間取引

ファクタリング会社とあなたの会社のみで行う取引が2社間取引です。

この場合売掛債権を発行した会社には通知が行きませんので取引先に余分な負担や心配をかけることがないというメリットがあります。

3社間取引はこの取引を債権発行元にも通知して行う取引の事です。

通常ですと3社間取引の方が取引手数料が安くて済むというメリットがあります。

 
6.掛け目

ファクタリングによる資金調達の際には、本来の売掛金から7割ないし9割相当に減額された上で、規定の手数料相当額分が減額されて現金が支払われます。

この7割ないし9割といった割合のことを掛け目と称するのです。

手数料はファクタリング会社の儲けであることから戻ってきませんが、掛け目は通常の場合であれば、返還されてきます。

ただし契約上の合意事項として、掛け目が返還されないこともあり得ることから、まずは入念に契約書をみておきましょう。

こうした基礎用語を押さえておけば初めての利用であっても不安は軽減するはずです。

取引方法を模索する中で繰り返し出てくるワードですので、内容を把握しておくのは重要です。

売掛債権担保融資との違いは?

売掛債権を使った資金調達方法としてはファクタリングとABL(売掛債権担保融資)がありますが、この2つの違いは、手に出来る資金額や求められる信用力に大きな違いを生み出します。

ファクタリングは売掛債権を業者に売り資金に変える方法です。

そしてABLは売掛債権を担保として融資を受ける方法です。

売掛債権を売った場合は万が一債権の対象企業倒産してしまい現金の回収が出来なくなってしまったとしても支払いを求められることはありませんが、担保として使った場合は回収出来るはずの債権が無くなってしまったとしても支払いの義務が無くなるわけではありません。

もし、そうなってしまったとしたら返済の負担はとても大きくなってしまうはずです。

調達出来る資金額は、売掛債権の買い取りの場合は債権の額が大きければ得られる現金も大きくなるのでわかりやすいのですが、ABLは売掛金の状況に大きく左右され予測しにくい面があります。

買い取りや融資が実行可能かの判断は、買い取りなら債権の売掛先の信用力が重視され、担保として使う場合は融資を受ける企業の状態が重視されるのも大きな違いです。

ファクタリングに関わる諸費用は?

一般的にファクタリングによる資金調達は銀行融資に比べると手軽で迅速に手続きを行うことはできますが、手数料は業者や取引方法にもよりますが割高となっています。

ファクタリングに関わる諸費用としては事務手続き費用、印紙代、債権譲渡登記費用、登記抹消費用といった費用が合計でおよそ10万円程必要になってきます。

通常、この諸費用は手数料に含まれることになりますが、業者によっては別途請求されることもあるので契約の際には気を付けて見るようにしましょう。

契約に必要な書類は?

ファクタリングの契約をする時は大口、小口などは関係なく提出する必要がある書類がいくつかあるので準備しておかなければいけません。

商業登記簿謄本、印鑑証明、決算書、試算表、売上債権に関する資料、取引先との基本契約書などが必要になります。

審査では売上債権が存在していて回収しやすい点を重視するので特に売上債権に関する資料は重要な必要書類になります。

また契約する時に不正がないようにする必要もあるので印鑑証明も重要な必要書類になります。

もちろん、利用する業者によって違いが出てきますので、事前にしっかりと確認するようにしましょう。

おすすめできるの企業は?

ファクタリングはすでに多数の企業が利用していますが、特におすすめできるのは次のような企業です。

 
1.公的機関や信用度の高い企業の売掛金がある企業

例えば介護業界の場合、介護報酬を信用度の高い国民保険団体連合会に請求しますが、支払いはおよそ2ヵ月後であり資金繰りが厳しくなることがあります。

 
2.大きな売上があるが、回収までに非常に長期間を要する企業

代表的な例は建設業です。大口案件の多い業界で支払いは数ヵ月先になり、天候で工事の日程がずれ込むこともよくあるからです。

 
3.創業から間がない新しい企業

新規事業は銀行の取引経験も少なく、融資を受けにくい為、売れている商品があるのに新たに発注する資金繰りに苦労することが多いです。

 
もし以上のどれかに当てはまっているようならばファクタリングを有効活用できる可能性があるということですね。

また、危機を乗り越える手段のひとつとして有効であることがよくわかると思います。



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