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TOPIXとは?浮動株で計算する仕組みと2026年10月からの銘柄入替

編集:お金をめぐる編集部 公開 約9分で読めます
TOPIXとは?浮動株で計算する仕組みと2026年10月からの銘柄入替
目次
  1. TOPIXとは?
  2. 浮動株とは?
  3. TOPIXはどう計算する?
  4. どんな銘柄がTOPIXに入る?
  5. 2026年10月の入れ替えで何が変わる?
  6. TOPIXはどう変わってきた?
  7. よくある質問

TOPIXは、日経平均株価と並んで、株式市場のニュースでよく耳にする指数です。東証の株価をもとにしていますが、上場している株をそのまま全部足しているわけではありません。大株主が持ち続けている株などを除いた「浮動株」だけを数えています。さらに2026年10月からは、売買の活発さで銘柄を選び直すルールが始まります。日経平均との計算方式の違いは日経平均株価とはで比べています。

  1. JPX総研が計算する株価指数。基準日の1968年1月4日を100ポイントとして、浮動株で数えた時価総額の増減を数字にしたもの
  2. 時価総額は、大株主上位10位や自己株式などの「固定株」を除いた、「浮動株」の分だけで数える
  3. 2026年10月から、東証の3つの市場の中から、売買の活発さで銘柄を選び直す。外れる銘柄は8段階で少しずつ比重を下げる

TOPIXとは?

最初に、TOPIXが何を基準にした数字なのかを確かめておきます。TOPIX(東証株価指数)を計算して配信しているのは、JPXグループのJPX総研です。出発点は1968年1月4日です。この日の時価総額を100ポイントと置き、その後の値動きを、この日と比べた大きさで示しています。計算が始まったのは1969年7月1日で、値は1秒間隔で配信されています。

選ぶ範囲は、東証の3つの市場(プライム・スタンダード・グロース)に上場している国内の会社の普通株式です。入れ替え前の2026年8月末で、構成銘柄は1,636銘柄でした。

ただ、銘柄の数と、指数への響き方は別の話です。ファクトシートによると、9月30日時点で比重の大きい上位10銘柄を足すと24.10%になります。1,600を超える銘柄があっても、上位10銘柄だけで4分の1近くを占めている計算です。

浮動株とは?

TOPIXの計算を読み解く鍵が、「浮動株」という考え方です。JPX総研のQ&Aでは、上場している株のうち、市場で売り買いされる可能性が高い株を浮動株と呼んでいます。その反対が「固定株」で、次のような株は原則として固定株として扱います。

  • 大株主上位10位が持つ株
  • 自己株式(会社が自分で持っている株)
  • 役員などが持つ株
  • ほかの上場会社などが、純投資以外の目的で持つ株(特定投資株式)

浮動株比率は、有価証券報告書などの公表資料から固定株を見積もり、「1−固定株比率」を0.05刻みで切り上げて決めます。仮の例で計算してみます。上場株式数が1億株で、そのうち固定株が3,200万株の会社なら、固定株比率は0.32です。1−0.32=0.68を切り上げると、浮動株比率は0.70になります。株価が1,000円なら上場時価総額は1,000億円ですが、TOPIXの計算に入るのは浮動株の分の700億円です。有価証券報告書がどんな書類かは、決算の読み方で紹介しています。

なぜ浮動株だけを数えるのか。Q&Aは、TOPIXに連動させる運用(インデックス運用)を例にしています。運用する側は、指数の比重と同じ割合で株を持ちます。売りに出てこない固定株まで比重に含めると、買い付けのときに需給にゆがみが生じるおそれがある、という説明です。

TOPIXも、はじめから浮動株で計算していたわけではありません。計算を始めた当初は、上場している株を全部数える上場時価総額が土台でした。浮動株に切り替えたのは2005年から2006年で、一度にではなく何回かに分けて移しています。

上場の審査で使う「流通株式比率」は、浮動株比率とは別の数字です。前者は上場の基準の判定に、後者は株価指数の計算に使う数字で、固定株の範囲や判定の方法も違います。上場の条件は上場とはで紹介しています。

TOPIXはどう計算する?

浮動株の時価総額が分かれば、指数の計算そのものは短い式で書けます。JPX総研の指数計算の算出要領では、次のとおりです。

  1. 指数値 = 指数用時価総額 ÷ 基準時価総額 × 100
  2. 指数用時価総額 = 各銘柄の「指数用株式数 × 株価」の合計
  3. 指数用株式数 = 上場株式数 × 浮動株比率(上限を超えた銘柄は、さらにキャップ調整係数を掛ける)

この中で目立たないのに大事なのが、分母の基準時価総額です。構成銘柄の追加や増資では、相場と関係なく時価総額が増えたり減ったりします。そのときは分母を直して、前の日の値とつながるようにします。

仮の例で見てみます。指数用時価総額が8兆円、基準時価総額が4兆円なら、8兆円 ÷ 4兆円 × 100 = 200ポイントです。ある銘柄が増資で1,000万株増え、株価が2,000円だったとすると、時価総額は200億円増えます。分母がそのままだと、株価は動いていないのに、指数は200.5ポイントに上がってしまいます。そこで分母を直します。4兆円 × 8兆200億円 ÷ 8兆円 = 4兆100億円です。新しい分母で計算すると、8兆200億円 ÷ 4兆100億円 × 100 = 200ポイントとなり、値がつながります。

株式分割のときは扱いが違います。株数が増えた分だけ株価が下がり、時価総額は変わらないので、基準時価総額は直しません。株価をもとにする日経平均では、分割のたびに株価換算係数を直しています。見比べると、何を足し合わせる指数なのかで、手当てが必要な場面も変わることが分かります。

1つの銘柄の比重が大きくなりすぎないよう、上限もあります。浮動株時価総額での比重が10%を超える銘柄には、10月の最終営業日にキャップ調整係数を設定します。その後に株価が動いて再び上限を超えても、係数を見直すのは翌年の10月です。9月30日時点では、比重が最大の銘柄でも4.02%でした。

どんな銘柄がTOPIXに入る?

2026年10月からのTOPIXは、上場している市場の区分ではなく、売買の活発さで銘柄を選びます。対象は東証の3つの市場の銘柄で、整理銘柄や特別注意銘柄は除きます。そのうえで、次の2つの基準を順に当てはめます。

基準新しく加える銘柄すでに入っている銘柄
① 回転率0.2以上0.14以上
② 累積比率上位96%以内上位97%以内

①の回転率は、1年分の売買代金が浮動株時価総額の何倍にあたるかを示す数字です。月ごとに「日々の売買代金の中央値 × 営業日数 ÷ 月末の浮動株時価総額」を出して、直近12か月分を足します。おおまかに言うと、0.2以上は、1年で浮動株時価総額の2割ほどの金額が売買されている水準です。

②の累積比率は、①を満たした銘柄を浮動株時価総額の大きい順に足していき、全体の何%までに入るかを見るものです。

すでに入っている銘柄の基準を少しゆるくしている点も見逃せません。JPX総研は、これをバッファ・ルールと呼び、指数の安定性や投資の効率の面から取り入れたと説明しています。

入れ替えの判定に使うのは8月の最終営業日の時点で、実際に入れ替えるのは10月の最終営業日です。結果は10月の第5営業日にJPXのサイトで公表されます。1回目は今回の2026年10月で、2回目はその2年後です。そこから先は、毎年行います。このほか、上場廃止や、整理銘柄・特別注意銘柄への指定があったときは、そのつど構成銘柄から外れます。

2026年10月の入れ替えで何が変わる?

新しいルールによる初めての入れ替えは、2026年10月30日に行われます。JPX総研が10月7日に公表した結果を見ると、変化の大きさが数字で分かります。

時点構成銘柄
2026年8月末1,636銘柄(入替前)
2026年10月末1,669銘柄(うち移行措置683銘柄)
2028年7月末986銘柄+再評価で残る銘柄

10月30日に新しく加わるのは35銘柄で、内訳はスタンダード市場が23、グロース市場が12です。一方、基準を満たさず「移行措置銘柄」になったのは683銘柄で、数えると、そのうち572銘柄はプライム市場の銘柄でした。プライム市場に上場していることと、TOPIXに残ることは、これからは別の話になります。

移行措置銘柄は、一度に外れるわけではありません。浮動株比率に「移行係数」を掛け、四半期ごとに8段階で比重を下げていきます。表の時期は、いずれもその月の最終営業日です。

時期移行係数
2026年10月0.875
2027年1月0.750
2027年4月0.625
2027年7月0.500
2027年10月0.375
2028年1月0.250
2028年4月0.125
2028年7月0(構成銘柄から外れる)

途中で、もう一度判定する機会があります。2027年8月の最終営業日を基準日に、再評価が行われます。ここで継続の基準(回転率0.14以上・累積比率の上位97%以内)を満たせば、引き下げは0.500で止まります。浮動株比率を半分にして数える段階で、引き下げが止まる形です。

JPX総研の試算では、2028年7月末の構成銘柄は986銘柄に、再評価で残る銘柄を足した数になります。986銘柄だけで見ると、入替前より650銘柄少ない数です。市場カバー率は、東証の3つの市場の浮動株時価総額のうち、TOPIXの構成銘柄が占める割合です。それでも、この割合は入替前の97.4%に対し、移行完了時が96.4%と見込まれています。銘柄の数は大きく減っても、時価総額で見たときの覆う範囲はほとんど変わらない、という見通しです。

TOPIXはどう変わってきた?

今回の入れ替えは、2段階に分けて進めてきた見直しの後半にあたります。前半の第1段階は、東証が市場区分を再編した2022年4月を機に始まりました。当時の構成銘柄は約2,200銘柄です。

このうち、流通株式の時価総額が100億円に届かない銘柄は、2022年10月から四半期ごとに10回に分けて比重を下げていきました。第1段階を終えた2025年1月には、約1,700銘柄になっています。JPX総研は、2028年7月には約1,000銘柄になると試算しています。

よくある質問

TOPIXは東証の全部の銘柄でできている?

いいえ。2026年10月からは、東証の3つの市場から、売買の活発さなどの基準を満たした銘柄が入ります。10月30日時点の構成銘柄は1,669銘柄です。

TOPIXの単位は?

ポイントです。JPX総研の指数計算の算出要領では、小数点以下第2位まで表示すると書かれています。

  • TOPIXは、JPX総研が計算する株価指数。基準日の1968年1月4日を100ポイントとし、浮動株で数えた時価総額の増減をポイントで表す
  • 浮動株比率は「1−固定株比率」を0.05刻みで切り上げた値。大株主上位10位や自己株式、役員の持ち株などは固定株になる
  • 増資や銘柄の追加では基準時価総額を直して値をつなぐ。株式分割では直さない。1銘柄の比重の上限は10%
  • 2026年10月30日から、回転率と累積比率の2つの基準で銘柄を選び直す。外れる683銘柄は8段階で比重を下げ、2027年の再評価で基準を満たせば0.500で止まる

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