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インフレとは?値上がりが広がって続く状態と、日本銀行が2%を目指すわけ

編集:お金をめぐる編集部 公開 約6分で読めます
インフレとは?値上がりが広がって続く状態と、日本銀行が2%を目指すわけ
目次
  1. インフレとは?
  2. 一つの商品の値上がりとは何が違う?
  3. インフレはなぜ起きる?
  4. インフレになると暮らしはどうなる?
  5. 給料も上がれば困らない?
  6. 日本銀行が2%を目指すのはなぜ?
  7. デフレとは何が違う?
  8. よくある質問

たとえば、いつも100円で買っていたパンが、ある日110円になったとします。これだけなら「パンが値上がりした」という話です。ところが、パンだけでなく、牛乳や電車の運賃、外食など、さまざまな物やサービスをまとめた物価全体が上がり、その状態が続く。これがインフレです。ニュースでよく聞く言葉ですが、何が起きている状態なのかを、順に見ていきます。

  1. インフレは、いろいろな物やサービスをまとめた物価が上がり続け、手元のお金で買える量が減っていく状態。一つの商品の値上がりとは違う
  2. 給料が物価以上に上がれば、暮らしで買える量は減らない。インフレが良いか悪いかは、物価だけでは決まらない
  3. 日本銀行は2013年1月から、消費者物価の前の年と比べた上昇率2%を「物価安定の目標」にしている

インフレとは?

言葉の意味から確かめます。金融経済教育推進機構(J-FLEC)の説明では、インフレは、物の値段の上昇が続き、その分だけ世の中のお金の値打ちが目減りしていく現象です。正式にはインフレーションといいます。

「お金の価値が下がる」とは、同じお金で買える量が減ることです。仮の例で考えると、1,000円で100円のパンなら10個買えます。値段が110円になれば、同じ1,000円で買えるのは9個です。財布の中のお札は同じ1,000円でも、パンで数えると1個分少なくなっています。

一つの商品の値上がりとは何が違う?

ここが、インフレを考えるときの分かれ目です。たとえば天候が悪くてキャベツが不作になると、欲しい人の数に対して出回る量が足りず、キャベツの値段は上がります。これはキャベツという一つの商品の値段の動きです。

日本銀行の言い方では、物価は、物やサービスの値段をまとめて一つの姿としてとらえたもので、体温計にたとえられることもあります。一つの商品の値段ではなく、暮らしにかかわる値段全体の動きを見るものです。

その全体の動きを測る物差しの代表が、消費者物価指数です。総務省統計局によると、家計の買い物の中身を一定に決めて、それを買うのにかかる費用が物価の変動でどう変わるかを、毎月、指数で表しています。結果は、年金の改定などにも使われています。企業どうしの取引の値段を見る企業物価指数もあります。

インフレはなぜ起きる?

原因は一つに決まっているわけではありません。日本銀行は、個々の物やサービスの値段は、基本的には需要と供給のバランスを映していると説明しています。買いたい量が売りたい量より多く、物が足りない状態が続けば、値段は上がっていきます。

物価に影響するものとして、日本銀行は、為替レートや海外の商品の値段、賃金の動き、企業の値段の付け方なども挙げています。海外の商品には、原油や農林水産物などが含まれます。金利も関係します。金利が下がると、企業や個人がお金を借りやすくなって経済活動が活発になり、物価を押し上げる力が働く、というのが日本銀行の説明です。反対に金利が上がると、物価を押し下げる力が働きます。

インフレになると暮らしはどうなる?

いちばん身近なのは、同じお金で買える量が減ることです。ここで大事になるのが、給料との関係です。

厚生労働省の毎月勤労統計調査では、物価の影響を取り除いた給料を、実質賃金として計算しています。実質賃金は、名目賃金(実際に受け取る給料)を消費者物価指数で割ったものです。仮に給料が前の年より2%上がっても、物価が3%上がれば、実質賃金は約1%減ります。給料の額は増えているのに、買える量は減っている、という状態です。

物価が大きく動くこと自体の困りごともあります。日本銀行は、物価が大きく変動すると、個人や企業が値段を手がかりにした判断がしにくくなり、所得の分かれ方にゆがみも生まれると説明しています。

給料も上がれば困らない?

インフレを、最初から悪いものと決める必要はありません。先ほどの計算を逆にすると、給料が3%上がって、物価が2%上がるなら、実質賃金は約1%増えます。値段は上がっていても、買える量は増えていることになります。

物価だけを見るのではなく、給料などの動きとあわせて考えることが大切です。金融経済教育推進機構も、インフレもデフレも、行き過ぎれば経済に悪い影響が出るとしています。

日本銀行が2%を目指すのはなぜ?

日本銀行が目指しているのは「物価の安定」です。日本銀行は、その状態を、家計や企業が物価の動きに振り回されずに、買い物や投資を決められる状況と定めています。物価の安定は、あらゆる経済活動の土台になるという考え方です。

日本銀行が「物価安定の目標」を決めたのは2013年1月です。物差しにするのは、消費者物価が前の年と比べて何%上がったかで、その目標を2%とし、できるだけ早く実現すると約束しました。今年で13年になります。日本銀行は、2%を、物価の安定を長く保つことと両立すると判断した上昇率と位置づけています。

それ以前の2012年2月からは、「2%以下のプラスの領域、当面は1%を目途」としていました。目指す上昇率をはっきり2%にしたのが、2013年の決定です。つまり、日本銀行が目標にしている「物価の安定」は、物価がまったく動かない状態ではなく、消費者物価が前の年と比べて2%程度で上がり続ける状態です。

デフレとは何が違う?

デフレは、インフレの反対です。金融経済教育推進機構の説明では、物の値段が下がり続ける状態がデフレです。

値段が下がるなら得に思えますが、そう単純ではありません。物の値段が下がると会社の売上が減り、働く人の給料が上がらなくなります。すると買い物をがまんする人が増え、さらに物が売れなくなる。この悪循環が進むのがデフレスパイラルです。物価が下がり続けることにも、暮らしへの影響があります。

よくある質問

物価の動きはどこで確かめられる?

消費者物価指数は、総務省統計局が毎月作っています。日本銀行も、物価をみるときに特に消費者物価指数の動きに注目しているとしています。

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  • インフレは、物やサービスの値段が上がり続け、お金の価値が下がっていく状態。一つの商品の値上がりではなく、物価全体の動きで見る
  • 原因は一つではなく、需要と供給、為替や原油などの値段、賃金、金利などがかかわる。給料が物価以上に上がれば、買える量は減らない
  • 日本銀行は2013年1月から、消費者物価の上昇率2%を目標にしている。目指す「物価の安定」は、物価がまったく動かない状態ではなく、前の年と比べて2%程度で上がり続ける状態