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粗利とは?売上から原価を引いた利益と、粗利率の計算・値引きの影響

編集:お金をめぐる編集部 公開 約6分で読めます
粗利とは?売上から原価を引いた利益と、粗利率の計算・値引きの影響
目次
  1. 粗利とは?
  2. 100円で仕入れて150円で売ると、粗利はいくら?
  3. 値引きすると、粗利はどう変わる?
  4. 売れ残った商品は、粗利にどう関係する?
  5. 実際の会社の粗利率は?
  6. 粗利が大きければ、儲かっている?
  7. よくある質問

100円で仕入れた商品を150円で売れば、50円の儲けになります。この50円が粗利です。ただ、粗利の割合を「5割」と言うと、少しずれます。粗利の計算は簡単ですが、割合の出し方や、値引き・売れ残りとの関係には、つまずきやすいところがあります。小さな例で計算してから、実際の会社の決算で確かめます。

  1. 粗利は、売上から売上原価を引いた利益。決算書では「売上総利益」と書かれる
  2. 粗利率は、粗利を売値(売上)で割る。100円で仕入れて150円で売ると、粗利率は33.3%で、5割ではない
  3. 粗利は会社の利益の出発点。ここから給料や家賃などを払うので、粗利が大きくても儲かっているとは限らない

粗利とは?

粗利は、売上から売上原価を引いた残りです。決算書の損益計算書では「売上総利益」と書かれます。財務諸表等規則という決まりでも、売上高から売上原価を引いた額をこの名前で示します。

売上原価が売上高を上回ると、「売上総損失」になります。たとえば、100円で仕入れた商品を80円で売れば、その商品の粗利はマイナス20円です。

粗利は、損益計算書に並ぶ5つの利益のうち、いちばん上に来る利益です。損益計算書全体の読み方は、決算の読み方で紹介しています。

100円で仕入れて150円で売ると、粗利はいくら?

1個100円で仕入れた商品を、150円で売ったとします。粗利は、150円から100円を引いて50円です。

売値150円の内訳(説明用の例)
  • 仕入れ値(原価):100円
  • 粗利:50円

粗利の割合(粗利率)は、粗利を売値で割って出します。50円を150円で割ると、粗利率は33.3%です。

ここで「100円に50円上乗せしたから5割」と考えると、ずれが出ます。50%は、仕入れ値に対する上乗せの割合です。粗利率は売値を基準にするので、同じ50円でも33.3%になります。決算書の粗利率も、売上を基準に計算します。

値引きすると、粗利はどう変わる?

150円の商品を1割引にすると、売値は135円です。値引きは15円ですが、仕入れ値の100円は変わりません。粗利は35円になり、50円から30%減ります。粗利率も25.9%に下がります。

売値の値引きは1割でも、粗利は3割減ります。値引きした分は、そのまま粗利から引かれるからです。

値引き前は、100個売ると粗利は5,000円でした。値引き後の粗利は1個35円です。5,000円を35円で割ると約142.9個なので、同じ粗利を得るには143個売る必要があります。数にして約1.43倍です。

売れ残った商品は、粗利にどう関係する?

粗利を計算するときに引く売上原価は、売れた商品の分だけです。売れ残った商品は在庫として残り、その年の原価には入りません。

たとえば、100円の商品を100個、1万円分仕入れて、150円で80個売れたとします。売上は1万2,000円です。売上原価は、売れた80個分の8,000円なので、粗利は4,000円になります。売れ残った20個(2,000円分)は、在庫として次に持ち越されます。

もし仕入れた1万円を全部引いてしまうと、2,000円しか残らない計算になり、粗利を小さく見誤ります。

なお、売れ残った商品でも、価値が下がった場合には、在庫の金額を引き下げることがあります。ライフの決算短信にも、商品の在庫について「収益性の低下に基づく簿価切下げの方法」をとると書かれています。ここでは、在庫の価値が変わらない単純な例で計算しています。在庫を含めた売上原価の計算は、決算の読み方の売上原価の節で、セリアの実際の数字で示しています。

実際の会社の粗利率は?

100円ショップのセリアと、食品スーパーのライフコーポレーションの決算で、粗利率を計算してみます。どちらも売上総利益を売上高で割りました。セリアは非連結、ライフはグループ全体の連結決算の数字です。

会社粗利率売上の中心
セリア(2026年3月期・非連結)約41.7%雑貨(売上の98.8%)
ライフ(2026年2月期・連結)約31.4%食品(生鮮食品と一般食品で売上の約89%)

売上100円あたりに直すと、粗利はセリアが41.7円、ライフが31.4円です。2社の差は約10ポイントあります。扱う商品の中身も、雑貨が中心のセリアと、食品が中心のライフで大きく違います。

ライフの決算書には、売上高のほかに「営業収入」という行があり、売上高と合わせて「営業収益」と呼んでいます。商品の売上どうしで比べるので、ここでは売上高だけで割っています。

粗利が大きければ、儲かっている?

そうとは限りません。粗利は利益の出発点で、そこから給料や家賃などの販売費及び一般管理費を払います。セリアの場合、売上100円あたりの粗利41.7円のうち、本業の利益(営業利益)として残るのは8.2円です。

ライフでは、もっとはっきりした形が見えます。2026年2月期の連結決算では、粗利は約2,665億円、販売費及び一般管理費は約2,732億円でした。粗利だけでは、経費を約67億円まかなえません。

ただ、ライフには商品の売上とは別に、約328億円の営業収入があります。これを粗利に足し、販売費及び一般管理費を引くと、営業利益は約260億円になります。粗利だけでは足りなくても、ほかの営業収入を含めると本業で利益が出る場合があるわけです。

ライフの決算短信には、会社単独(単体)の損益計算書も載っています。単体では営業収入が約324億円、営業利益が約256億円で、連結と少し違います。比べるときは、どちらの数字かをそろえる必要があります。

同じ「粗利」でも、そこから先の費用の重さや、ほかの収入の有無で、最後の利益は変わります。粗利から営業利益までのつながりは、100均はなぜ儲かる?で、セリアの費用を一つずつ分けて紹介しています。

よくある質問

粗利と利益は同じ?

粗利も利益の一つですが、まだ給料や家賃、税金などを引く前の段階です。決算書には、粗利の下に営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益が順に並びます。それぞれの違いは5つの利益の違いで紹介しています。

仕入れ値が上がると、粗利はどうなる?

売値を変えなければ、仕入れ値が上がった分だけ粗利は小さくなります。物価全体が上がる動きについては、インフレとはで紹介しています。

  • 粗利は、売上から売上原価を引いた利益。決算書では「売上総利益」
  • 粗利率は粗利を売値で割る。100円で仕入れて150円で売ると33.3%で、仕入れ値に対する上乗せ(50%)とは違う
  • 1割の値引きで、例の粗利は3割減った。売上原価は売れた分だけで、売れ残りは在庫になる
  • セリアの粗利率は約41.7%、ライフは約31.4%。粗利が大きくても、そこから先の費用しだいで最後の利益は変わる

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