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利益率とは?売上高に対する利益の割合の計算と、数字の読み方

編集:お金をめぐる編集部 公開 約7分で読めます
利益率とは?売上高に対する利益の割合の計算と、数字の読み方
目次
  1. 利益率とは?
  2. 売上高で割る利益率は何種類ある?
  3. 上場会社の合計で計算すると?
  4. 前の年との差はどう表す?
  5. 利益が増えても利益率が下がるのはなぜ?
  6. 業種で利益率は違う?
  7. 平均の利益率はどう計算する?
  8. よくある質問

「利益率」は、売上などの金額に対して、利益がどれだけの割合になるかを表す数字です。決算のニュースでは「営業利益率は○%」のように出てきます。この記事では、売上高で割る利益率を中心に、計算のしかたと、数字を読むときに取り違えやすい点を整理します。例には、東京証券取引所が上場会社の決算をまとめた2026年3月期の集計を使います。

  1. 利益率は「利益 ÷ 売上高」。どの利益で割るかで、売上高総利益率・営業利益率・経常利益率・当期純利益率の4つがある
  2. 前の年との差は「ポイント」で表す。利益の額が何%増えたかとは別の数字
  3. 東証の集計は、全社の数字を合計してから割っている。1社ずつの率を平均すると、結果が変わる

利益率とは?

利益率は、利益をある金額で割って、割合にしたものです。式にすると次のとおりです。

利益率(%)= 利益 ÷ 基準の金額 × 100

基準の金額として多いのが売上高です。売上高に対する利益率は、売上100円のうち何円が利益として残ったかと言い換えられます。営業利益率が5%なら、売上100円あたりの営業利益は5円です。決算書を売上100円に直して読む手順は、決算の読み方で紹介しています。

売上高で割る利益率は何種類ある?

決算書の損益計算書には、段階の違う利益がいくつも並んでいます。どの利益を売上高で割るかで、利益率の名前が変わります。代表的なのは次の4つです。

利益率計算使う利益
売上高総利益率(粗利率)売上総利益 ÷ 売上高原価を引いた差額
売上高営業利益率営業利益 ÷ 売上高本業の利益
売上高経常利益率経常利益 ÷ 売上高利息など本業以外も含めた利益
売上高当期純利益率当期純利益 ÷ 売上高税金などを差し引いた利益

連結決算では、当期純利益と「親会社株主に帰属する当期純利益」を区別する場合があります。この記事の東証集計による計算では、後者を使います。

東証の集計方法の説明では、売上高営業利益率を「営業利益/売上高」と書いています。ほかの3つも、利益を売上高で割る同じ形の計算です。

単に「利益率」と書かれているときは、どの利益で割った数字かを先に確かめます。同じ会社でも、使う利益が違えば数字は大きく変わります。それぞれの利益の中身は5つの利益の違い、粗利率の計算は粗利とはで紹介しています。

上場会社の合計で計算すると?

東京証券取引所は、上場会社が発表した決算短信の数字を集計して公表しています(上場会社については上場とは)。2026年3月期の集計では、金融業を除いた全産業の対象が1,982社です。この1,982社の売上高と営業利益を合計すると、次のようになります。

項目2026年3月期2025年3月期
売上高約774兆円約751兆円
営業利益約52.9兆円約52.8兆円
売上高営業利益率6.84%7.02%

営業利益の約52.9兆円を、売上高の約774兆円で割ると6.84%です。東証の表に載っている売上高営業利益率と同じ値になります。売上100円あたりに直すと、営業利益は約6.8円です。

前の年の数字は、比較可能会社ベースと注記されています。今期と比べられる会社でそろえた数字です。数字は2026年6月5日時点のものです。

同じ合計から、経常利益と、親会社株主に帰属する当期純利益も売上高で割ってみました。

利益率2026年3月期
売上高経常利益率約8.79%
売上高親会社株主帰属利益率約5.95%

この2つは東証の表には載っていない、合計の数字からの計算です。また、国際会計基準(IFRS)を使う会社は、税引前利益を経常利益の欄に入れて集計されています。ここでの経常利益率は、日本の基準の経常利益だけを足したものではありません。

前の年との差はどう表す?

売上高営業利益率は、2025年3月期の7.02%から、2026年3月期は6.84%になりました。差は0.18ポイントです。

率どうしの差は、%ではなく「ポイント」で表します。「0.18%下がった」と書くと、別の意味にも読めます。7.02%の0.18%分、つまり約0.013ポイントだけ下がったという意味です。率の差を伝えるときは、ポイントを使うと取り違えが起きません。

利益が増えても利益率が下がるのはなぜ?

同じ集計で、前の年と比べた増え方も見てみます。

項目前の年と比べた増加率
売上高3.02%
営業利益0.34%

営業利益の額は、前の年より増えています。それでも売上高営業利益率は7.02%から6.84%に下がりました。営業利益の増え方より、売上高の増え方が大きかったからです。

ここで、0.34%は営業利益の額が前の年から何%増えたかを表す数字です。7.02%と6.84%は、売上高に対する営業利益の割合です。どちらも%で書きますが、測っているものが違います。ニュースで「増益」と「利益率の低下」が同時に出てくるのは、このような場合です。

反対に、利益の額が減っても、売上高がそれ以上に減れば、利益率は上がります。利益率だけ、または利益の額だけを見ても、会社の数字の動きはつかめません。

業種で利益率は違う?

東証の集計には、業種ごとの売上高営業利益率も載っています。2026年3月期決算の対象上場企業の集計から、いくつかの業種を抜き出しました。

業種集計社数2026年3月期2025年3月期
卸売業193社2.33%2.31%
小売業129社5.54%5.60%
建設業101社8.30%6.36%
電気機器163社10.87%9.52%
情報・通信業225社11.69%11.91%
不動産業55社13.24%12.70%

2026年3月期の金融業を除く29業種では、いちばん低いのが卸売業の2.33%でした。いちばん高いのは不動産業の13.24%です。業種によってなぜこれだけ違うのかは、この集計には書かれていません。

利益率を比べるときは、同じ業種の中で、同じ利益を使った率どうしを並べます。卸売業と不動産業では、利益率の水準が異なります。数字の高さだけで、会社の経営が優れているかどうかは判断できません。また、これは上場会社だけの集計で、日本の会社全体の数字ではありません。

平均の利益率はどう計算する?

東証の集計は、対象会社の売上高や営業利益をすべて合計してから、その合計で率を計算しています。1社ずつの率を出して平均したものではありません。

2つのやり方で結果がどう変わるか、架空の2社で比べてみます。

会社売上高営業利益営業利益率
A社100万円10万円10%
B社900万円45万円5%
1社ずつの率の平均——7.5%
合計してから計算1,000万円55万円5.5%

1社ずつの率を平均すると、売上の小さいA社も大きいB社も同じ1社として数えるので、7.5%になります。合計してから計算すると、売上の大きいB社の数字が強く反映されて、5.5%です。

同じ「平均の利益率」でも、どちらのやり方で出したかで数字が変わります。スーパーの業界白書の平均は、1社ずつの率を足して社数で割るやり方でした(スーパーの利益率)。やり方の違う平均どうしは、そのままでは比べられません。

よくある質問

利益率は何%あれば高い?

1つの目安はありません。東証の集計でも、2026年3月期の売上高営業利益率は、業種によって2.33%から13.24%まで開きがあります。比べるなら、同じ業種で、同じ利益を使った率どうしです。

ROEも利益率ですか?

ROEは、自己資本に対してどれだけ利益を生んだかを見る指標です。この記事で扱う、売上高に対する利益率とは分母が違います。東証の集計では、親会社株主に帰属する当期純利益を、自己資本(期首と期末の平均)で割って計算しています。営業利益率が低い会社でも、ROEが高い場合があります。

利益率が上がれば、利益の額も増える?

そうとは限りません。売上高が大きく減れば、利益率が上がっても利益の額は減ることがあります。率と額は並べて見ます。

  • 利益率は、利益を売上高などで割った割合。どの利益で割るかで、売上高に対する利益率は4つある
  • 東証の2026年3月期の集計(金融業を除く1,982社)では、売上高営業利益率は6.84%
  • 前の年の7.02%との差は0.18ポイント。営業利益は0.34%増えたが、売上高が3.02%増えて、率は下がった
  • 業種別では、卸売業の2.33%から不動産業の13.24%まで開きがある
  • 全社を合計してから割る平均と、1社ずつの率の平均では、数字が変わる

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