本文へ移動

日経平均株価とは?225社の株価から計算する仕組みとTOPIXとの違い

編集:お金をめぐる編集部 公開 約11分で読めます
日経平均株価とは?225社の株価から計算する仕組みとTOPIXとの違い
目次
  1. 日経平均株価とは?
  2. 日経平均が上がるとはどういうこと?
  3. 225社は誰が選ぶ?
  4. どう計算する?
  5. 値がさ株の影響が大きいのはなぜ?
  6. TOPIXとは何が違う?
  7. 日経平均と日本経済全体は同じ?
  8. 日経平均の歩み
  9. ニュースの数字をどう読めばよい?
  10. よくある質問

ニュースで「日経平均株価が1,000円上がりました」と聞くと、日本の会社の株がそろって上がったように感じるかもしれません。実際はそうとは限りません。日経平均株価のもとになっているのは、東京証券取引所のプライム市場で売り買いされる225銘柄の株価です。しかも、株価の高い一部の銘柄が動くと、指数も大きく動くことがあります。この記事では、日本経済新聞社とJPX(日本取引所グループ)の公式資料をもとに、日経平均の選び方と計算のしかたを整理します。TOPIXとの違いや、ニュースの数字の読み方もあわせて見ていきます。

  1. 東証プライム市場の225銘柄の株価をもとに、日本経済新聞社が出している指数。株価を足して割る価格平均型
  2. 計算は「株価×株価換算係数」を合計して「除数」で割る。単純に225で割った平均ではない
  3. 株価の高い銘柄(値がさ株)の動きが大きく響く。時価総額で重みをつけるTOPIXとは、同じ日でも動き方が違うことがある

日経平均株価とは?

日経平均株価の計算と発表をしているのは、新聞社の日本経済新聞社です。値が出るのは、東証で株の売り買いがある日です。東京証券取引所のプライム市場に上場する225銘柄の株価を使い、算出要領では「価格平均指数」と説明されています。略して「日経平均」「日経225」とも呼ばれます。

対象になるのは、プライム市場に上場する国内の会社の株です。ETFやREIT、優先出資証券など、普通株式以外は対象外です。

計算が始まったのは1950年9月7日です。さらに、東京証券取引所が戦後に取引を再開した1949年5月16日の分から、後になって値を計算してあります。はじめの20年ほどは東京証券取引所の担当で、名前も「東証修正平均株価」でした。日本経済新聞社に計算が移ったのは1970年です。

株式の基本は上場とはで紹介しています。

日経平均が上がるとはどういうこと?

日経平均が上がったということは、225銘柄の株価を決まった方法で合計して割った値が、前より大きくなったということです。225銘柄が全部上がったという意味ではありません。上がった銘柄と下がった銘柄が混ざっていても、合計が増えれば日経平均は上がります。

もう一つ大事なのは、日経平均の「1円」と、個々の株価の「1円」は大きさが違うことです。日経新聞社のFAQによると、新聞に載る「倍率」は「225÷除数」で計算します。構成銘柄の単純平均株価が1円動いたとき、日経平均が何円動くかを表す数です。

銘柄が入れ替わった2026年10月1日からは、この分母の数が29.66435840になっていて、倍率を出すと225 ÷ 29.66435840で約7.6倍です。つまり、構成銘柄の株価(株価換算係数で直したあとの値)の単純平均が1円動くと、日経平均は約7.6円動く計算です。日経平均が1,000円動くのは、この単純平均が約132円動いたときにあたります。

225社は誰が選ぶ?

225銘柄を選ぶのは日本経済新聞社です。2026年10月1日作成の算出要領では、選び方は次のようになっています。

  • 定期見直しは年2回。4月の第1営業日と10月の第1営業日に行い、比べる基準日はそれぞれ1月末と7月末
  • 売買代金などをもとに、5年分の「市場流動性」を測る
  • 流動性の順位で上位450銘柄に入るものを候補のグループとし、そこから落ちた構成銘柄は外す。まだ採用されていない銘柄でも、上位75銘柄に入っていれば加える
  • 業種のかたよりを防ぐ:日経業種分類の36業種を7つのセクターにまとめ、セクターごとの銘柄数がつり合うように調整する。7つのセクターの内訳は、技術、情報通信、金融、消費、素材、資本財・その他、運輸・公共
  • 最後は、外部の専門家などの意見も参考にしながら、日本経済新聞社が決めて公表する

定期見直しのほかに、上場廃止などで欠員が出たときに補う「臨時入れ替え」もあります。

実際の例では、2026年10月1日の入れ替えで3銘柄を除外し、3銘柄を採用しました。発表は9月30日です。売買が活発で、業種のバランスもとれた225銘柄で日本の株式市場を表す、という考え方です。

どう計算する?

算出要領に書かれた計算式は、次の2段階です。

  1. 各銘柄の採用株価 = 株価 × 株価換算係数
  2. 日経平均 =(225銘柄の採用株価を足した値)÷ 除数

株価換算係数

株価換算係数は、計算に使う株価の水準をそろえるための数です。新しく採用する銘柄は原則として1です。ただ、その銘柄の株価が構成銘柄の採用株価合計の1%を超える場合は、0.1〜0.9の値にして、株価をそのまま使わないようにしています。

株式分割があったときも、この係数を変えます。日経新聞社のFAQの例では、1株を10株に分割した銘柄は、係数を1から10にします。分割で株価が10分の1になっても、計算に使う株価は分割の前と同じ水準に保たれます。株価換算係数は2021年10月から使われていて、それまでは「みなし額面」という考え方で調整していました。

除数

最初のうちは、株価の合計を銘柄数で割るだけの、ふつうの平均と同じ計算でした。ところが、銘柄を入れ替えると、合計の株価が入れ替えた銘柄の差の分だけ変わってしまいます。相場が動いていないのに指数が飛ばないよう、そのつど分母の除数を直して、前後の値がつながるようにしています。

仮の例で見てみます。3銘柄の株価が1,000円、2,000円、3,000円で、合計は6,000円、除数は3なので、平均は2,000円です。ここで1,000円の銘柄を外し、6,000円の銘柄を入れると、合計は11,000円になります。除数を3のままにすると平均は約3,667円に跳ね上がりますが、株価そのものは何も動いていません。そこで除数を3 × 11,000 ÷ 6,000 = 5.5に直すと、11,000 ÷ 5.5 = 2,000円となり、入れ替え前と同じ値が保たれます。

現実の入れ替えでも同じことをしています。2026年10月1日には、分母の数を29.83073565から29.66435840へ小さくしてから、新しい顔ぶれで計算を始めました。

値がさ株の影響が大きいのはなぜ?

日経平均は、株価を足して割る「価格平均型」です。この方式では、株価の高い銘柄ほど、同じ割合の値動きでも指数を大きく動かします。株価の高い株を「値がさ株」と呼びます。

ここでも仮の3銘柄で考えます。公式指数の計算そのものではなく、仕組みをつかむための単純な例です。

銘柄株価発行済み株式数時価総額
A1万円1億株1兆円
B2,000円10億株2兆円
C500円100億株5兆円

株価を単純平均すると、12,500円 ÷ 3で約4167円です。

  • Aが10%上がる(1,000円上がる)と、平均は約333円上がり、率にすると8.0%の上昇
  • Cが10%上がる(50円上がる)と、平均は約17円しか上がらず、0.4%の上昇

同じ10%の値上がりでも、株価の高いAのほうが、平均への影響がずっと大きくなります。ここで大事なのは、Aは時価総額(株価×株式数)でいえばいちばん小さい会社だという点です。価格平均型では、会社の大きさではなく、計算に使う株価の高さが効きます。

日経平均では、特定の銘柄の影響が大きくなりすぎないように、2022年10月から「キャップ調整」というルールも入っています。指数の中でのウエート(比重)が一定の水準を超えた銘柄について、株価換算係数に0.9などの比率を掛けて、ウエートを一時的に下げる仕組みです。上限の水準は、導入時の12%から段階的に下がり、2024年10月の見直しからは10%です。

TOPIXとは何が違う?

もう一つの代表的な指標がTOPIX(東証株価指数)で、こちらはJPXグループのJPX総研が算出しています。日経平均とは計算の考え方が違います。

項目日経平均株価TOPIX
計算する会社日本経済新聞社JPX総研
対象東証プライム市場の225銘柄JPXの算出要領で決まる構成銘柄
計算の方式価格平均型(採用株価の合計÷除数)浮動株時価総額加重型
基準1949年5月16日までさかのぼって計算1968年1月4日の時価総額を100とする

時価総額加重型では、株価ではなく、時価総額の大きさで重みがつきます。先ほどの仮の3銘柄で、時価総額の合計8兆円がどう変わるかを見ると、結果が逆になります。

  • Aが10%上がると、時価総額の合計は1,000億円増えて、1.25%の上昇
  • Cが10%上がると、5,000億円増えて、6.25%の上昇

価格平均型ではAの影響が大きかったのに、時価総額で重みをつけると、時価総額の大きいCの影響が大きくなります。日経新聞社のFAQでも、一般的な見方が紹介されています。日経平均は株価の高いハイテク株などに、TOPIXは時価総額の大きい金融株などに左右されやすい、というものです。一方で、2つの指数はふだん、おおむね似た動き方をするとも書かれています。

TOPIXは、どの銘柄を入れるかのルールを段階的に変えている最中です。JPXの説明では、次期TOPIXは東証のすべての市場区分を対象に、売買の活発さを基準として銘柄を定期的に選び直す仕組みになります。初回の定期入替は2026年10月です。TOPIXの詳しい仕組みは、別の授業で改めて紹介します。

日経平均と日本経済全体は同じ?

同じではありません。日経平均は、プライム市場の225銘柄の株価から計算した指数です。日本のすべての会社や、働く人の給料、家計の暮らし向きを直接表すものではありません。

株価は、会社の業績だけで動くわけでもありません。JPXの学習ページは、株価に影響するものとして、次のようなものを挙げています。

  • 会社の将来性への期待
  • 国内の景気の動向
  • 金利の水準(金利が下がると株価は上がり、上がると下がる傾向)
  • 円高・円安などの為替相場
  • 政治の動き、戦争や貿易摩擦などの国際情勢、海外の株式市場の動き

日経平均が上がった日は、こうした要因が重なって、225銘柄の株価の合計が増えたということです。それだけで、日本企業の利益が増えたとも、家計の所得が増えたとも言えません。金利の仕組みは政策金利とは、為替の仕組みは円安・円高とはで紹介しています。

日経平均の歩み

算出要領とFAQにある日付を、年の順に並べました。

年出来事
1949年5月16日(戦後の東証再開日)まで値をさかのぼって計算
1950年9月7日に計算開始。東京証券取引所が「東証修正平均株価」として公表
1970年日本経済新聞社が計算を引き継ぐ
1975〜1985年「日経ダウ平均株価」の名前で公表
1985年3月25日にリアルタイムの計算(1分間隔)を開始
1991年10月から、構成銘柄を年1回定期的に見直す方法に
2000年4月から、流動性とセクターのバランスを見る入れ替えルールを適用
2017年7月18日から5秒間隔で計算
2021年10月から株価換算係数を使う
2022年10月の定期見直しからキャップ調整を導入

1975年5月から1985年5月までの10年間は、「日経ダウ平均株価」という名前でした。この呼び名は、アメリカのダウ・ジョーンズ社に認めてもらって使っていたものです。日経平均とダウ工業株30種平均は、どちらも「修正価格平均」と呼ばれる同じ系統の指数です。

ニュースの数字をどう読めばよい?

日経平均のニュースを見るときは、次の3つを意識すると、数字の意味がつかみやすくなります。

  • 円の大きさ:日経平均の1,000円の動きは、構成銘柄の単純平均では約132円の動きにあたります
  • 何銘柄が上がったか:日経平均が上がっても、225銘柄の多くが下がっている日もありえます
  • TOPIXと同じ向きか:日経平均だけが大きく動いた日は、値がさ株の動きが響いている可能性があります

銘柄の入れ替えがあった日も、除数を直しているので、入れ替えそのものでは指数の値は飛びません。

よくある質問

日経平均と日経225は同じもの?

同じです。算出要領では、正式名称は「日経平均株価」で、略称が「日経平均」「日経225」です。

日経平均は東京証券取引所が計算している?

いいえ。1970年からは日本経済新聞社が計算しています。それ以前は東京証券取引所が計算していました。

225銘柄は毎年同じ?

同じではありません。年2回の定期見直しと、欠員が出たときの臨時入れ替えで、銘柄は入れ替わります。

  • 日経平均は、東証プライム市場の225銘柄でつくる指数。1950年9月7日に計算が始まり、1970年からは日本経済新聞社が担当している
  • 計算は「株価×株価換算係数」の合計を除数で割る。入れ替えや株式分割のときは、係数や除数を直して値をつなげる
  • 価格平均型なので、株価の高い値がさ株の影響が大きい。時価総額で重みをつけるTOPIXとは動き方が違うことがある
  • 日経平均が上がっても、225銘柄が全部上がったとも、日本企業の利益や家計の所得が増えたとも言えない

次に読む