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ユーロ紙幣は何種類?今も使える500ユーロ札と、実在しない建物の図柄

編集:お金をめぐる編集部 公開 約7分で読めます
ユーロ紙幣は何種類?今も使える500ユーロ札と、実在しない建物の図柄
目次
  1. ユーロ紙幣は何種類?
  2. 500ユーロ札はもう使えない?
  3. 図柄の建物は実在する?
  4. 「エウロパ」とは誰?
  5. ユーロ紙幣は誰が発行している?
  6. 偽造防止はどう見分ける?
  7. 日本のお札と比べると?
  8. これからのユーロ紙幣は?
  9. よくある質問

ヨーロッパの多くの国では、同じお札で買い物ができます。ユーロ紙幣です。ところが、その図柄に描かれた橋や門は、どこを探しても実在しません。この記事では、欧州中央銀行(ECB)の資料をもとに、ユーロ紙幣を順に見ていきます。何種類あって、どれが今も支払いに通用するのか、何が描かれ、誰が発行しているのかです。米ドルとの比べ方はアメリカのお札、為替の仕組みは円安・円高とはで紹介しています。

  1. ユーロ紙幣には2つのシリーズがある。いま作られているのは、5〜200ユーロの6種類のエウロパ・シリーズ
  2. 500ユーロ札は2019年4月27日から新たに発行されていない。それでも価値は失わず、今も支払いに通用する
  3. 図柄の窓や門、橋は、実在する建物ではなく、時代ごとの建築様式を描いたもの

ユーロ紙幣は何種類?

ユーロ紙幣には、2つのシリーズがあります。最初のシリーズは、ユーロが導入された2002年に出たものです。5・10・20・50・100・200・500ユーロの7種類でした。

2つ目はエウロパ・シリーズと呼ばれ、2013年から順に出回り始めました。2019年5月に100ユーロ札と200ユーロ札が出てそろい、全部で6種類です。6年かけて、少しずつ入れ替えたことになります。

いま作られているのはエウロパ・シリーズだけです。ただし、第1シリーズのお札も法定通貨のままで、価値を失うことはなく、エウロパ・シリーズと一緒に使われ続けます。財布の中に2つのシリーズが混ざっていても、どちらも同じお金として通用するということです。

券種色建築様式
5ユーロ灰色古典様式
10ユーロ赤ロマネスク
20ユーロ青ゴシック
50ユーロオレンジルネサンス
100ユーロ緑バロックとロココ
200ユーロ黄褐色19世紀の鉄とガラスの建築
500ユーロ第1シリーズのみ第1シリーズのみ

色と建築様式は、ECBがエウロパ・シリーズについて示しているものです。色は第1シリーズと同じです。500ユーロ札はエウロパ・シリーズにないので、表では「第1シリーズのみ」としました。

500ユーロ札はもう使えない?

今も通用します。ここは「いま発行されているか」と「いま通用するか」を分けて考えると分かりやすくなります。

500ユーロ札はエウロパ・シリーズに入らず、2019年4月27日から新たに発行されていません。それでもECBは、ほかの券種と同じく、500ユーロ札は価値を失わないと説明しています。ユーロ圏のどの国の中央銀行でも、いつでも交換できます。

つまり、いま新しく作られている券種は6種類、今も通用する券種は500ユーロ札を含めて7種類です。

図柄の建物は実在する?

実在しません。ECBによると、ユーロ紙幣はどちらのシリーズも、ヨーロッパの時代ごとの建築様式を描いたものです。実在する建物や橋は描いていません。5ユーロの古典様式から、200ユーロの19世紀の鉄とガラスの建築まで、額面が上がるにつれて時代が新しくなる並びです。

表の面には窓と門が描かれ、ヨーロッパの開かれた心と協力を表しています。裏面の橋は、ヨーロッパの人どうし、そしてヨーロッパと世界とのつながりを表すものです。なぜその様式を選んだのかまでは、ECBのページは説明していません。

ほかにも、図柄には国ごとの違いに配慮したところがあります。

  • 通貨名:第1シリーズはラテン文字とギリシャ文字の2つ。エウロパ・シリーズには、ブルガリアのEU加盟に合わせてキリル文字も加わり、3つの文字で書かれている
  • 署名:ECBの歴代総裁4人のうち、だれかの署名が入っている。エウロパ・シリーズの署名は2人。ECBは、どの署名のお札もどれも同じように有効だとしている

「エウロパ」とは誰?

2つ目のシリーズがエウロパ・シリーズと呼ばれるのは、2つの偽造防止の仕組みの中に、エウロパの肖像が入っているからです。エウロパはギリシャ神話に出てくる王女で、ECBは、ヨーロッパという大陸の名前とのつながりを示すものと説明しています。

ユーロ紙幣は誰が発行している?

ユーロ紙幣を発行する権限は、ECBとユーロ圏の各国の中央銀行にあります。ただし、実際にお札を出したり回収したりするのは、各国の中央銀行だけです。ECBは現金を扱う窓口を持っていません。

印刷も、1か所ではありません。ヨーロッパにある11の印刷所で作られ、ECBが各国の中央銀行に作る量を割り振っています。エウロパ・シリーズでは、裏面の横向きの番号が2文字と10桁でできていて、その1文字目で印刷した場所が分かります。

ユーロ紙幣は、ユーロ圏の外でも持たれています。ECBの推計では、出回っているユーロ紙幣のうち金額にして20%から25%が、主に近くの国など、ユーロ圏の外にあります。金額で見て、5分の1から4分の1ほどにあたります。

ECBによると、出回っているユーロ紙幣は300億枚を超え、合計の金額は1.5兆ユーロを超えます。EUの27か国のうち21か国で法定通貨になっていて、約3億5800万人が同じお札で支払いをしています。

偽造防止はどう見分ける?

ECBは、特別な道具がなくても確かめられるように、「触って、見て、傾ける」という見方を案内しています。製造の説明によると、エウロパ・シリーズのお札は綿の繊維だけでできた紙に刷られています。すかしや紙にすき込んだ線は、紙そのものの一部です。

印刷には、オフセット印刷や凹版印刷のほか、ホログラムの箔押しや、傾けると色が変わる数字の印刷が使われています。券種ごとの細かな見分け方は、ECBのページで券種別に確かめられます。

日本のお札と比べると?

同じお札でも、発行の仕組みはずいぶん違います。

項目ユーロ紙幣日本のお札
発行する権限ECBとユーロ圏の各国の中央銀行日本銀行(日本銀行法第46条)
実際に出し入れする所各国の中央銀行日本銀行
作る所ヨーロッパの11の印刷所国立印刷局
古い券第1シリーズも有効25種類が有効

日本では、1つの中央銀行が発行し、1つの機関が製造しています。ユーロは21か国で同じお札を使う通貨で、発行も印刷も複数の機関が分け合っています。日本銀行の役割は日本銀行券とはで紹介しています。

これからのユーロ紙幣は?

ECBは、次のシリーズのお札のデザインを決める作業を進めています。2023年にテーマの候補を「ヨーロッパの文化」と「川と鳥」に絞り、デザインの応募は10の案に絞られました。

その10の案について、7月23日から9月21日まで、インターネットで意見を聞く調査が行われました。参加したのは約1000万人です。最終的な見た目は2026年末ごろに決まる見込みです。その後、新しいお札が実際に手元に届くまでには何年もかかると、ECBは説明しています。ここに書いたのは、2026年10月17日時点の状況です。

よくある質問

古いデザインのユーロ紙幣は使える?

今も通用します。ECBは、第1シリーズのお札も法定通貨で、価値を失わないと説明しています。

ユーロ紙幣の番号から何が分かる?

エウロパ・シリーズでは、裏面の横向きの番号の1文字目で、印刷した場所が分かります。2文字目には特に意味がなく、番号の数を増やすためのものです。

ユーロはEUの全部の国で使われている?

いいえ。ECBによると、ユーロが法定通貨なのはEUの27か国のうち21か国です。

  • ユーロ紙幣は2つのシリーズがあり、いま作られているのは5〜200ユーロの6種類のエウロパ・シリーズ
  • 500ユーロ札は2019年4月27日から新たに発行されていないが、価値は失わず、今も通用する。通用する券種は7種類
  • 図柄は実在する建物や橋ではなく、時代ごとの建築様式。表の窓と門、裏の橋にそれぞれ意味がある
  • 発行の権限はECBと各国の中央銀行にあり、実際に出し入れするのは各国の中央銀行。印刷は11の印刷所で分担している

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