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エラーコインとは?製造時の異常と傷んだ硬貨の違い、額面と値段は別

編集:お金をめぐる編集部 公開 約6分で読めます
エラーコインとは?製造時の異常と傷んだ硬貨の違い、額面と値段は別
目次
  1. エラーコインとは?
  2. 硬貨は工場でどう検査される?
  3. 作るときの異常と、使ってからの傷はどう違う?
  4. 珍しく見えれば異常?
  5. エラーコインは額面より価値がある?
  6. 見つけたらどうする?
  7. よくある質問

おつりで受け取った硬貨の穴の位置が、なんだか少しずれて見える。そんな硬貨は「エラーコイン」と呼ばれ、高く売れると聞くこともあります。けれども、作るときの異常なのか、使っているうちに付いた傷なのかは、見ただけでは分かりません。この記事では、造幣局・日本銀行の説明と法律の条文で確かめられることを整理します。硬貨が作られる流れは硬貨の作り方で紹介しています。

  1. エラーコインは、作るときの異常があるとされる硬貨の呼び名。この記事で確かめた造幣局や日本銀行の説明には出てこない言葉
  2. 造幣局は、模様をつけた後に硬貨を検査し、キズのあるものなどを取り除いてから袋に詰めている
  3. お金として通用するのは額面まで。収集品としての値段を、造幣局は把握していない

エラーコインとは?

エラーコインは、硬貨を作るときに何かの異常が起き、そのまま出回ったとされる硬貨を指して使われる呼び名です。

ただ、この記事で確かめた造幣局の製造工程やQ&A、日本銀行の説明、硬貨について定めた法律には、「エラーコイン」という言葉は出てきません。どんなものをエラーと呼ぶかについて、公的な決まりがあるわけではないということです。そこでこの記事では、公的な資料で確かめられる「作る側の仕組み」と「お金としての扱い」から見ていきます。

硬貨は工場でどう検査される?

造幣局が示す硬貨の作り方は、金属を溶かすところから袋詰めまでの6段階です。このうち5段階目で、表と裏の模様とギザを一度につけ、そのあとに模様を検査します。キズのある硬貨などはここで不合格として取り除かれ、合格したものだけが厳重に数えて袋に詰められます。

つまり、作る側には、異常のある硬貨を外に出さないための確認の工程があります。それでも異常のある硬貨が出回ることがあるのか、あるとすればどの工程で何が起きるのかについて、造幣局の工程の説明やQ&Aには書かれていません。

作るときの異常と、使ってからの傷はどう違う?

見分けの手がかりになるのは、「いつ、どこで」起きたかです。

起きる場所扱い
造幣局の工場の中模様をつけた後に検査し、キズのあるものなどを取り除く
使っているうち基準を満たせば、額面で引き換えられる(模様と重さで判断)
人がわざと穴をあけたり曲げたりすると、法律違反になる

使っているうちに磨り減ったり傷んだりした硬貨については、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の第8条に決まりがあります。流通に適さなくなった硬貨は、法令の基準を満たす場合、額面で、手数料なしに引き換えられます。

引き換えは、日本銀行の本店や支店が受け付けています。日本銀行の基準では、模様が認識できることが前提で、金貨以外の硬貨は、元の重さの2分の1を超えて残っていれば額面の全額になります。災害などやむを得ない理由で重さが減った硬貨は、模様が認識できれば全額です。

一方、人が後から手を加えた場合は話が違います。造幣局のQ&Aによると、硬貨に穴をあけたりわざと曲げたりすれば、貨幣損傷等取締法に違反し、罰の対象になります。穴の位置がずれて見える硬貨があっても、その穴が工場であいたものとは限りません。作るときの異常と後から付いた傷を見た目で区別する方法は、この記事で確かめた造幣局や日本銀行のページでは案内されていません。わざと傷つけた場合の決まりは硬貨を傷つけると違法?で詳しく紹介しています。

珍しく見えれば異常?

ふだん見かけない見た目でも、異常とは限りません。お札の例ですが、日本銀行は、番号(記番号)の色がほかのお札と違っていても、直ちににせ札ということではないと説明しています。たとえば一万円札では、番号を使い切って一巡したのをきっかけに、2011年から褐色の番号のお札も出ています。千円札は、2019年から紺色の番号のものもあります。

硬貨でも、記念の硬貨には、ふだんの硬貨と素材や大きさが違うものがあります。日本銀行は、そうした硬貨が自動販売機では受け付けられないことがあると説明しています。見慣れない硬貨が、正しく作られた別の種類の硬貨である場合もあるということです。5円玉と50円玉に穴がある話は硬貨に穴があるのはなぜ?で紹介しています。

エラーコインは額面より価値がある?

ここは、法律が決めていることと、取引の値段を分けて考える必要があります。

法律が決めているのは、お金としての通用です。同じ法律の第7条は、硬貨について「額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する」と定めています。100円玉なら20枚、2,000円分まで、支払いに通用するということです。ただし、同じ法律の第9条には、模様の認識が難しくなった硬貨や、重さが著しく減った硬貨は無効とする規定もあります。見た目がふつうと違う硬貨が、必ずそのまま支払いに通用するとは限りません。

一方、収集品としての値段は、売る人と買う人の取引で決まるもので、公的に定まった値段ではありません。造幣局はQ&Aで、造幣局は硬貨を作る機関なので、市場での価値は把握していないと答えています。

造幣局が自分で売っている記念の硬貨でも、同じ考え方です。造幣局のQ&Aによると、貴金属を使ったプレミアム貨幣などは、買ったときの値段では使えず、硬貨に書かれた額面での使用になります。買った値段と、お金として通用する額は別のものだと分かります。この記事では、エラーコインの具体的な取引価格は載せていません。

見つけたらどうする?

まず、硬貨に手を加えないことです。穴をあけたり曲げたりすると法律違反になるので、そのままの状態で保管します。

珍しいかどうかで、お金としての額が上がるわけではありません。一方で、模様の認識が難しいものなどは法律で無効とされていて、そのまま通用するとも限りません。

お札の場合、日本銀行は、にせ札が疑われるお札を見つけたら、近くの警察か日本銀行の本店・支店へすぐ届けるよう呼びかけています。

よくある質問

エラーコインはふつうに使える?

そのまま通用するとは限りません。法律が決めているのは額面での通用ですが、模様の認識が難しいものや、重さが著しく減ったものは無効とする規定もあります。

エラーコインは高く売れる?

決まった値段はありません。収集品としての値段は取引で決まるもので、造幣局は市場での価値を把握していないとしています。

自分で穴をあけたらエラーコインになる?

なりません。硬貨に穴をあけたり、わざと曲げたりすると、貨幣損傷等取締法違反になります。

  • エラーコインは、作るときの異常があるとされる硬貨の呼び名。この記事で確かめた公的な資料には出てこない
  • 造幣局は、模様をつけた後に検査し、キズのあるものなどを取り除いてから袋に詰めている
  • 使ってから傷んだ硬貨は、模様や重さの基準を満たせば額面で引き換えられる。わざと穴をあけたり曲げたりするのは法律違反
  • 法律が決めているのは額面での通用。収集品の値段は取引で決まり、造幣局は市場での価値を把握していない

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