お札を洗濯機で回してしまった、うっかり破いてしまった、ストーブで焦がしてしまった。そんなときも、すぐに捨てる必要はありません。表と裏の両方が残っていれば、日本銀行が残った面積に応じて新しいお札に引き換えます。
- 残った面積が3分の2以上なら全額、5分の2以上なら半額、それより少ないと価値がなくなる
- 破れたかけらは貼り合わせ、燃えたものは灰ごと崩さずに持って行く
- 窓口は日本銀行の本店と支店。事前に予約して、平日に持って行く。手数料はかからない
01 どれだけ残っていれば交換できる?
決め手になるのは、お札がどれだけ残っているかです。日本銀行の基準は3つに分かれていて、一万円札なら次のようになります。
| 残っている面積 | 引き換え | 一万円札の場合 |
|---|---|---|
| 3分の2以上 | 全額 | 10,000円 |
| 5分の2以上、3分の2未満 | 半額 | 5,000円 |
| 5分の2未満 | なし | 0円 |
前提として、表と裏の両方が残っていなければなりません。表か裏のどちらかしかないものは、対象になりません。
「半分残っていれば大丈夫」と考えがちですが、基準はもう少し厳しめです。半分ほどなら半額で、全額になるのは3分の2以上残っているときです。逆にいえば、端が少し欠けたくらいなら、額面どおりに戻ってきます。
02 3分の2はどのくらい?
分数だけでは、手元のお札がどちらに入るのか見当がつきにくいかもしれません。一万円札の大きさは76×160mmで、横幅は160mmです。まっすぐ縦に切れた場合で考えると、長さに置き換えられます。
- 横に約107mm以上残っていれば、全額
- 64mm以上なら、半額
- 64mmより短ければ、0円
全額と半額の境目と、半額と0円の境目の差は、約43mmです。まっすぐ破れただけなら、定規を当てるとおおよその見当はつきます。
ただ、実際の判定は長さではなく面積で決まります。斜めに破れたものや、穴があいたものの面積を決めるのは日本銀行です。ここで自分で結論を出す必要はありません。迷うようなら、そのまま持って行って判定してもらえば大丈夫です。
半額の側には、もう一つ細かい決まりがあります。半額にしたときに1円未満の端数が出たら、端数は切り捨てです。ちなみに、昔のお札までこのルールを当てはめると、今も使える昔の一円札は半額の0.5円が切り捨てられて0円。五円札なら2円になります。
03 バラバラになったお札はどうする?
破れて何枚かに分かれたお札は、かけらを1枚に貼り合わせてから持って行きます。日本銀行は、同じお札のかけらだと認められれば、それぞれの面積を合計した面積で判定します。
- 粘着の弱い紙テープなどで、表と裏が確かめられるように貼る
- 何枚も破れているときは、記番号や模様、色合いを見て、別のお札のかけらとまぜない
- 貼り合わせられなかったかけらも、捨てずに一緒に持って行く
合計されるのは、同じお札のかけらだけです。違うお札のかけらを貼り合わせても、1枚分にはなりません。
シュレッダーにかけてしまったものも、同じように貼り合わせが必要です。細かく裁断されたままだと、同じお札のかけらだと認められず、失効と判断されることがあります。根気のいる作業ですが、面積に数えられるのは同じお札だと認められたかけらだけなので、ここは省けません。
04 燃えたお札や濡れたお札は?
「灰になったらもう無理」と思いそうですが、すぐに捨てないでください。日本銀行によると、灰になっても、ある程度までは紙やインクの質から本物かどうかを確かめられます。お札だと確かめられれば、灰も面積に含まれます。
困るのは、灰が崩れてしまうことです。灰がバラバラになると見分けにくくなります。燃えたお札は、細かい部分も集めて、箱などに入れて形を崩さずに運びます。
濡れたお札は、できるだけ1枚ずつ乾かします。泥などの付いているものは、できるだけ取り除いておきます。
こうした引き換えは、災害のあとにも使われてきました。東日本大震災では、泥で固まったお札や、海水でさびた硬貨が東北の支店に次々と持ち込まれました。日本銀行の記事によると、2011年8月末までの引き換えは、お札約43万枚と硬貨約290万枚。金額にして約33億円でした。傷んだお金の引き換えは、災害時だけに行われる特別な手続きではありません。
05 どこで、どうやって引き換える?
では、実際に破れたお札が手元にあるとき、どこへ持って行けばいいのでしょうか。基本は、日本銀行の本店と、すべての支店です。日本銀行は、法令などで定められた基準に照らして、引き換えられるかを判断します。大阪支店の案内では、手作業で鑑定するので時間がかかると説明しています。そのため、前もって予約をしておきます。
- 予約:日本銀行のホームページや電話で、行く予定の本店・支店に入れる。予約なしだと、その日のうちに引き換えられないことがある
- 時間:平日の9時から15時まで
- 郵送:郵送では受け付けていません
- 手数料:手数料はかかりません
窓口では、備え付けの引換依頼書に書き込み、お札と一緒に出します。判定の参考に、傷んだいきさつや、欠けた部分がどこへいったかを聞かれます。受け付けると番号札を渡され、引き換えたお金を受け取るときに必要になります。お金は現金で支払われ、いちばん少ない枚数でまとめて渡されます。
行く予定の支店の案内も、前もって見ておくと安心です。ここからは大阪支店の場合です。大阪支店では、お札と硬貨を合わせて20枚まではインターネットで予約できます。20枚を超えるときは電話での予約です。持って行くお金は、種類ごとに枚数を数えておくよう求めています。
日本銀行まで行けないときは、近くの銀行などに相談する道もあります。同じく大阪支店の案内では、近くの銀行や信用金庫に相談する方法も挙げています。そうした金融機関が、日本銀行への引き換えを取り次ぐ場合があるためです。
06 よくある質問
溶けたり曲がったりした硬貨も引き換えられる?
引き換えられる場合があります。模様が分かる硬貨が対象で、重さが半分を超えていれば全額です。金貨は、重さが元の98%以上であることが条件です。
古いお札も、この窓口で替えてもらえる?
今も有効なのにお店で使いにくい古いお札も、同じ窓口で引き換えています。くわしくは古いお札の確かめ方にまとめています。
きれいなお札を新札に替えてもらえる?
日本銀行は両替はしていません。両替は、近くの金融機関に相談します。
本物かどうか分からないお札は?
本物か確かめたいものは、窓口の鑑定申込書を添えて預けると、日本銀行が調べます。偽物だった場合は手元に戻され、警察署へ届けるよう案内されています。
- 表と裏が残っていれば、3分の2以上で全額、5分の2以上で半額。一万円札を縦に切った場合、約107mm・64mmが目安
- かけらは貼り合わせ、灰は崩さず、濡れたものは1枚ずつ乾かす
- 日本銀行の本店・支店へ、事前に予約して平日9時から15時に。郵送は不可、手数料はかからない

