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造幣局とは?硬貨を作るがお札は作らない、発行もしない役割の分担

編集:お金をめぐる編集部 公開 約5分で読めます
「造幣局」の文字が入った造幣局の建物
目次
  1. 造幣局はどんな機関?
  2. 硬貨のほかに何を作っている?
  3. 造幣局はお札も作る?
  4. 硬貨を発行するのは造幣局?
  5. 造幣局はいつからある?
  6. よくある質問

財布の中の500円玉も10円玉も、作ったのは造幣局です。ただ、造幣局はお札は作っていませんし、できあがった硬貨を世の中に送り出す「発行」も、造幣局の仕事ではありません。硬貨を作る機関なのに、なぜ発行はしないのか。何をする所で、何をしない所なのかを、法律と造幣局の資料から順に見ていきます。

  1. 造幣局は、拠点を大阪・さいたま・広島の3か所にもつ独立行政法人。仕事は硬貨づくりにとどまらず、勲章の製造や貴金属の純度の証明も担う
  2. お札は作らない。お札は国立印刷局が作り、日本銀行が発行する
  3. 硬貨を作るのは造幣局だが、発行するのは政府。日本銀行に渡った時点で、初めてお金として発行される

造幣局はどんな機関?

硬貨の工場というと東京にありそうですが、造幣局の本局は大阪市です。形のうえでは独立行政法人で、さいたま市と広島市にも支局を構えています。大阪府に主な事務所を置くことは、独立行政法人造幣局法にも書かれています。法律上の分類は行政執行法人です。

この法律の第3条に書かれた目的は、通貨制度を安定させることへの寄与です。硬貨を作ることはその手段の一つで、貨幣への信頼を保つための情報提供も、目的の中に入っています。

硬貨のほかに何を作っている?

造幣局の仕事を法律で確かめると、硬貨以外のものがいくつも並んでいます。造幣局法の第11条が挙げている主な業務を、ふだんの言葉に置き換えました。

分野主な仕事
硬貨製造、販売、鋳つぶし
勲章など勲章、褒章、賜杯、記章、極印の製造
工芸品金属工芸品の製造と販売
貴金属精製、品位の証明、地金や鉱物の分析

日本の硬貨だけを作っているわけでもありません。外国政府などに頼まれて、その国の硬貨を作ることも法律で認められています。造幣局の年表によると、2007年に、戦後初めての外国の硬貨として、ニュージーランドの1ドル銀貨の製造を受注しました。

貴金属の仕事で身近なのは、指輪などに打たれるホールマークです。造幣局は、事業者から依頼を受けて貴金属製品の品位を調べ、基準に合った製品に証明記号を打ちます。印は日の丸と、ひし形の中の数字の組み合わせで、数字は1000分率で純度を表します。ひし形の中が900なら、1000分の900、つまり90%ということです。

造幣局はお札も作る?

硬貨とお札は、作る所が違います。造幣局によると、お札は正式には日本銀行券といい、国立印刷局が作り、日本銀行が発行します。お札がどう作られるかはお札の作り方で紹介しています。

造幣局のサイトで「硬貨」より「貨幣」が多く使われているのは、法律の言葉に合わせているためです。通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律では、通貨を貨幣と日本銀行券に分けていて、この法律でいう貨幣は硬貨のことです。言葉の違いは貨幣・紙幣・硬貨・通貨の違いで整理しています。

硬貨を発行するのは造幣局?

ここが、いちばん誤解されやすいところです。造幣局は硬貨を作りますが、発行するのは政府です。造幣局の説明では、硬貨の製造と発行の権能は政府に属し、造幣局はその製造を受け持っています。

何枚作るかを決めるのも、造幣局ではありません。財務省が、世の中での流通の状況などをみて、年度ごとに製造枚数を決めます。造幣局法でも、硬貨づくりは財務大臣が決めた計画どおりに進めるよう求めています。

仕上がった硬貨の行き先は日本銀行で、財務省を経由して届けられます。造幣局によると、硬貨が発行されるのは日本銀行に納められた時点です。つまり、造幣局で打ち上がったばかりの500円玉は、見た目はいつもの500円玉でも、日本銀行に渡るまではまだお金ではありません。財布の中の硬貨は、どれもこの手続きを通ってきたものです。

お札のほうは、銀行などが日本銀行に預けているお金を引き出し、お札として受け取った時点が発行です。作る工程は硬貨の作り方にまとめています。

造幣局はいつからある?

始まりは、明治の初めです。明治新政府が造幣局を置いたのは、大阪の今の場所でした。創業式は明治4年4月4日(1871年)で、当時としては画期的だった西洋式の設備で製造が始まりました。今年で155年になります。

始まったころの造幣局は、硬貨だけを作っていたわけではありません。国内に機械で物を作る工業が育っていなかったため、硫酸やソーダ、天秤や時計まで局内で作っていました。硬貨を作る前に、そのための薬品や道具から自分たちで用意していたことになります。日本で初めて複式簿記を取り入れたのも造幣局です。

その後、勲章・褒章や金属工芸品の製造、貴金属の品位証明などへと仕事を広げました。独立行政法人になったのは2003年4月1日(平成15年)で、それまでは財務省の特別の機関でした。

支局にもそれぞれの歩みがあります。さいたま支局のもとは、昭和4年に東京に設けられた東京出張所で、当時は貴金属製品の品位証明が主な仕事でした。今のさいたま市に移ったのは平成28年10月です。広島支局は、昭和20年2月に広島市内の仮工場で製造を始めましたが、まもなく原爆にあって中断しました。今の場所で製造を再開したのは、昭和21年1月です。

よくある質問

ホールマークがない貴金属は偽物?

そうとは限りません。ホールマークは、希望した事業者だけが依頼して受ける任意のしくみで、マークの付いていない製品も市販されています。K18やPt900という刻印も、造幣局が打つ証明の印とは別のものです。

造幣局で売っている貨幣セットとは?

その年に作った硬貨をケースに入れたミントセットなどがあります。中身と値段はプルーフ貨幣と貨幣セットの記事で紹介しています。

  • 造幣局は、本局が大阪市、支局がさいたま市と広島市にある独立行政法人。硬貨のほか、勲章・褒章、金属工芸品、貴金属の品位証明(ホールマーク)も行う
  • お札は作らない。お札は国立印刷局が作り、日本銀行が発行する
  • 硬貨は造幣局が作るが、発行するのは政府。何枚作るかは財務大臣が計画で決め、日本銀行に渡った時点で発行になる

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