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お札はどうやって作られる?原図・版・インキから印刷・検査まで

編集:お金をめぐる編集部 公開 更新 約5分で読めます
お札はどうやって作られる?原図・版・インキから印刷・検査まで
目次
  1. まず何から作る?
  2. 版はどうやって作る?
  3. インキも自分たちで作る?
  4. どうやって刷る?
  5. 番号はいつ入る?
  6. 刷り終わったお札はどうなる?
  7. どこで刷られている?
  8. よくある質問

お札は、チラシやポスターと同じ「印刷物」です。ところが、できあがるまでの道のりはまったく違います。紙ができたあと(紙づくりはお札の紙の記事へ)、お札がどう仕上がっていくのかを、国立印刷局の説明に沿って順に見ていきます。

  1. 最初に、工芸官と呼ばれる専門の職員が、筆や色鉛筆で原図を描く。見た目だけでなく偽造を防ぐ仕掛けまで組み込んだ設計図
  2. 版は金属板を手で彫り、インキは独自の調合。刷るときは、2種類の印刷方法を1台の機械で続けて重ねる
  3. 番号と総裁の印は、模様を検査したあとに入る。1枚ずつ検査し、1,000枚の束にして日本銀行へ

まず何から作る?

最初の一歩は、絵を描くことです。原図を描くのは、国立印刷局で「工芸官」と呼ばれる職員。筆や色鉛筆を手に、細かいところまで描き込みます。

ふつうの印刷物と違うのは、この原図が、ただのデザイン画ではないところです。国立印刷局は原図を、偽造防止の仕掛けと見た目の美しさを両立させたデザインだと説明しています。彫刻、線の模様、すかしといった後の作業すべての設計図になります。

コピーやスキャンの技術が上がった今、デザインには美しさに加えて、偽造をはね返す働きが欠かせない、と国立印刷局は書いています。お札のデザインは、最初の一筆から守りの役目を背負っているわけです。

版はどうやって作る?

原図をもとに、印刷のための「原版」を作ります。ここで使われるのが、ビュランという特殊な彫刻刀です。工芸官が金属板に、点や線を一本ずつ刻み込んでいきます。ビュランは、使う人がそれぞれ自分の手の形に合わせて工夫して作っているそうです。

肖像は手彫りで、彫る前には、まずコンテ画を描いて立体感を考えます。どれくらい細かいかというと、幅1ミリの中に線を10本以上も入れられるほどです。肖像の細かさについては新紙幣の人物の記事でも触れています。

一方、色とりどりの細い線を幾何学的に組み合わせた「彩紋模様」は、コンピュータで設計されます。手で彫る技術とコンピュータの技術。この2つが最後に合わさって、一つの版になります。

できあがった1枚の原版から、お札を何枚分も並べた大きな印刷用の版が作られます。印刷に耐えられるよう、メッキをかけて丈夫にします。

インキも自分たちで作る?

インキも、国立印刷局が自分で作っています。原料は顔料やワニスなど。それを国立印刷局ならではの配合で練り上げ、ほかでは出しにくい色と性質を持たせます。ねらいは、まねされにくくすることです。

色の数も多く、今のお札全体では20色を超えます。一万円札・五千円札・千円札では、表に13色、裏に7色です。色をたくさん重ねること自体も、お札の特徴の一つです。色の工夫はお札の偽造防止技術のしくみにもまとめています。

どうやって刷る?

印刷には、国立印刷局が開発した印刷機を使います。刷る順番は、裏が先で、表があとです。

ここで目を向けたいのが、オフセット印刷と凹版印刷という2つの刷り方を、同じ1台の中で続けて行っている点です。国立印刷局によると、そうすることで細かい模様を高い精度で刷り重ねられます。凹版印刷はインキが盛り上がるように刷る方法で、お札のざらっとした手ざわりの正体です。国立印刷局は、この手ざわりはプリンターやコピー機では再現できないとしています。

刷り終わると、ホログラムの出番です。見る角度で色や模様が変わる、あのきらきらした部分を貼り付けます。

番号はいつ入る?

お札ごとに違う記番号は、模様の印刷のあと、表と裏の模様を検査してから入れられます。このとき一緒に刷られるのが、表の日本銀行総裁の印章です。

つまり、番号と総裁の印は、工程の終わり近くで加えられます。模様がきちんと刷れているかを確かめたうえで、最後に「このお札」の背番号と、発行する日本銀行のしるしが入る順番です。記番号のしくみや、総裁の印の意味は日本銀行券とはにまとめています。

刷り終わったお札はどうなる?

番号まで入ったら、断裁機で決められた大きさに正確に切り分けます。切り終わると、機械が1枚ずつ確かめ、枚数をそろえて帯で留め、1,000枚単位の束にまとめます。束はフィルムで包んで、日本銀行に納められます。

日本銀行によると、お札は1,000枚で約1キログラム、厚さは約10センチです。一つの束は、片手で持てる重さと厚みということになります。この束が、日本銀行から金融機関を通じて世の中に出ていきます。

どこで刷られている?

国立印刷局の工場のうち、業務に日本銀行券の製造を挙げているのは、東京工場・小田原工場・静岡工場・彦根工場の4つです。お札の紙を作る工場は別にあり、それはお札の紙の記事で紹介しています。

紙、インキ、原図と原版、印刷、仕上げ。ここまで見てきた工程は、どれも国立印刷局の中で行われています。材料づくりから仕上げまでを、一つの組織の中で一貫して行っている点も、お札づくりならではです。硬貨のほうの作り方は硬貨の作り方の記事にまとめています。

よくある質問

すかしはどの段階で入る?

すかしは印刷ではなく、紙をすく段階で入ります。国立印刷局にはすかしを専門に作る部門もあります。くわしくはお札の紙の記事にあります。

1年に何枚くらい作られている?

毎年の注文枚数と製造費は、お札の製造枚数と製造費の記事にまとめています。

  • 工芸官が筆や色鉛筆で描く原図は、偽造防止の仕掛けまで組み込んだ設計図。版は金属板を手で彫り、彩紋模様はコンピュータで作る
  • インキは独自の調合。2種類の印刷を1台の機械で重ね、番号と総裁の印は模様の検査のあとに入る
  • 1枚ずつ検査して1,000枚(約1kg・約10cm)の束にし、日本銀行へ。お札を刷るのは東京・小田原・静岡・彦根の4工場

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