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硬貨はどうやって作られる?金属の塊が硬貨になるまでの造幣局の工程

編集:お金をめぐる編集部 公開 更新 約6分で読めます
硬貨はどうやって作られる?金属の塊が硬貨になるまでの造幣局の工程
目次
  1. 硬貨づくりはどんな流れ?
  2. 金属はどうやって板になる?
  3. どうやって丸い形にする?
  4. 模様はどうやってつける?
  5. 模様を刻む金型はどう作る?
  6. できた硬貨はいつ「お金」になる?
  7. 1年に何枚作られている?
  8. よくある質問

財布の中の硬貨は、どれも同じ形・同じ模様で、ぴったりそろっています。もとは溶かした金属です。造幣局の工程をたどると、金属の塊が板になり、丸く抜かれ、模様を刻まれて、ようやく硬貨になります。その途中で、形がどう変わっていくのかを順に見ていきます。

  1. 造幣局が示す通常貨幣の基本的な製造工程は、溶解→圧延→圧穿→圧縁→圧印・検査→計数・袋詰めの6段階
  2. 表と裏の模様、縁のギザは、同じ工程で同時に刻まれる。そのための金型(極印)も造幣局で作っている
  3. 硬貨が「お金」として扱われるのは、財務省を通じて日本銀行に引き渡されてから。それまでは形が同じでも通貨ではない

硬貨づくりはどんな流れ?

造幣局は、硬貨の作り方を6つの段階に分けて紹介しています。金属の形の変化で並べると、次のようになります。

順造幣局の呼び方金属の形
1溶解溶かした金属 → 塊(鋳塊)
2熱間圧延・冷間圧延塊 → 薄い板
3圧穿(あっせん)板 → 丸い円板(円形)
4圧縁円板 → 縁のついた円板
5圧印・検査円板 → 模様のある硬貨
6計数・袋詰め硬貨 → 袋の中へ

この説明は、硬貨づくりの大まかな流れを示したものです。硬貨の種類や素材ごとに、どの段階がどう違うのかまでは書かれていません。500円玉には、色の違う金属を組み合わせる特別な作りもあります。その話は新しい500円玉と旧500円玉の違いにあります。

金属はどうやって板になる?

最初は、銅やニッケルなどの材料を電気炉で溶かすところからです。溶けた金属は連続鋳造装置に流され、「鋳塊(ちゅうかい)」と呼ばれる塊になります。

この塊を、今度は板にしていきます。まず均熱炉で温めます。金属がのびやすい高温のうちに、決められた厚さまでのばすのが熱間圧延です。続けて、常温のまま粗くのばしてから仕上げの圧延をかけ、硬貨の厚さまで薄くします(冷間圧延)。できあがった板は、ロール状に巻き取られます。

ずっしりとした塊が、この段階で、硬貨と同じ厚さの板に変わるわけです。

どうやって丸い形にする?

硬貨の厚さになった板から、硬貨の形を打ち抜きます。この工程を「圧穿(あっせん)」といい、打ち抜かれた丸い板を、造幣局は「円形(えんぎょう)」と呼んでいます。読み方は「えんけい」ではなく「えんぎょう」です。

次が「圧縁(あつえん)」です。円形のまわりに縁をつけます。造幣局は、この縁を、あとで模様を出しやすくするためのものと説明しています。縁をつけたあと、円形は熱を加えてやわらかくされます。模様を刻む準備が、ここで整います。

模様はどうやってつける?

いよいよ模様を刻む「圧印(あついん)」です。表の模様、裏の模様、そして縁のギザが、同時につけられます。円板の表・裏・縁が、まとめて一度に仕上がるということです。

刻み終わった硬貨は模様を検査され、キズのあるものなどは不合格として取り除かれます。合格した硬貨は厳重に数えられ、袋に詰められます。

硬貨に年号(年銘)が入っているのも、この模様の一部です。年号は、金貨・銀貨の時代に、その品位を示す目的で刻まれ始めたもので、今もその名残で入っているそうです。

模様を刻む金型はどう作る?

模様を刻むには、模様を彫った金型が要ります。造幣局ではこれを「極印(こくいん)」と呼び、別の4つの段階で作っています。

  1. デザイン作成:模様のもとになる図案のデータを、パソコンなどで作る
  2. 種印の製造・修正:機械で鋼材を削り、極印のもとになる型「種印(たねいん)」を作る。機械で削った跡などは、手作業で彫り直して模様をはっきりさせる
  3. 極印の製造:できた種印を鋼材に押し付けて、模様を写し取る
  4. 表面研磨:模様のついた鋼材の表面を磨き上げて、極印が完成する

おもしろいのは、模様を直接彫るのは種印のほうで、実際に硬貨を打つ極印は、種印を押し付けて模様を写し取って作っている点です。そして、その種印の仕上げには、最後に人の手が入っています。

できた硬貨はいつ「お金」になる?

袋に詰められた時点の硬貨は、形も模様も財布の中のものと同じです。それでも、工場の中にあるうちは、法律の上ではまだお金として数えられません。

法律では、硬貨を作る力も発行する力も政府にあります。何枚作るかは、財務省が世の中での使われ方を見て年度ごとに決め、途中で変えることもあります。造幣局はその枚数を作る役目です。作られた硬貨はすべて財務省を通じて日本銀行に納められ、この時点で発行されたことになり、通貨になります。

お札では、発行のタイミングがずれます。日本銀行に納められただけではまだで、銀行などが当座預金を取り崩して引き出したときが発行です。お札の作り方はお札の作り方の記事にまとめています。

1年に何枚作られている?

造幣局の年銘別製造枚数の表から、2025年の年号が入った硬貨の枚数を読みました。

硬貨2025年の製造枚数
500円玉約3億5,500万枚
10円玉約1億5,400万枚
100円玉約1億400万枚
1円玉59万5千枚
5円玉59万5千枚
50円玉59万5千枚
合計約6億1,500万枚

合計は約6億1,500万枚。そのうち約6割を500円玉が占めています。一方で、1円玉・5円玉・50円玉は、どれも59万5千枚ずつにとどまりました。どの硬貨を何枚作るかは財務省が決めていますが、2025年にこの配分になった理由までは、造幣局の資料には書かれていません。1円玉の枚数の移り変わりは1円玉はなぜアルミ?にあります。

よくある質問

使い古した硬貨はどうなる?

造幣局によると、硬貨はおおよそ30年ほど使われると、すり減りや汚れが目立つようになります。日本銀行に戻ってきて、もう使えないと判断された硬貨は、ある程度たまると造幣局に送られ、素材ごとに溶かされて、また硬貨の材料になります。法律で使えなくなるか、傷んで回収されない限り、硬貨は半永久的に世の中を回っていると考えてよい、と造幣局は説明しています。

硬貨にギザや穴があるのはなぜ?

硬貨に穴があるのはなぜ?とギザ10とはにまとめています。

  • 硬貨は、溶解→圧延→圧穿(円形)→圧縁→圧印・検査→計数・袋詰めの6段階。表・裏の模様とギザは同時に刻まれる
  • 模様を刻む金型「極印」は、手作業で仕上げた「種印」から模様を写し取って作る
  • 硬貨が通貨になるのは日本銀行へ引き渡された時点。2025年の年号の硬貨は約6億1,500万枚で、約6割が500円玉

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