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硬貨を傷つけたり溶かしたりすると違法?貨幣損傷等取締法の中身と罰則

編集:お金をめぐる編集部 公開 約5分で読めます
硬貨を傷つけたり溶かしたりすると違法?貨幣損傷等取締法の中身と罰則
目次
  1. 貨幣損傷等取締法とは?
  2. 何をすると違反になる?
  3. うっかり傷ついた硬貨はどうなる?
  4. どこからが違反になる?
  5. 違反するとどうなる?
  6. お札にもこの法律は関係する?
  7. よくある質問

財布の中で硬貨が傷んだり、曲がったりすることはよくあります。一方で、貨幣損傷等取締法が禁じているのは、硬貨を損傷したり鋳つぶしたりすることで、財務省や造幣局は、わざと行う場合として説明しています。うっかり傷んだ硬貨と、わざと加工した硬貨とを分けて、法律の中身を確かめます。

  1. 貨幣損傷等取締法は、硬貨を損傷したり鋳つぶしたりすることと、そのために集めることを禁じている。違反すると1年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金
  2. 財務省と造幣局は、故意に傷つける場合として説明している。穴を開けるのも同じで、工作のためでも目的にかかわらず禁止
  3. うっかり傷んだ硬貨は別の話。磨り減ったものなどは、額面で、手数料なしに引き換えてもらえる

貨幣損傷等取締法とは?

法律の名前は硬いですが、中身はとても短い法律です。1947年(昭和22年)にできた法律で、本文は3つの項だけでできています。

  • 第1項:硬貨に傷をつけることと、溶かして別の形にすること(鋳つぶし)の禁止
  • 第2項:傷をつけたり鋳つぶしたりするつもりで、硬貨を集めることの禁止
  • 第3項:第1項・第2項を破ったときの罰則(1年以下の拘禁刑か、20万円以下の罰金)

つまり、傷つけることと溶かすことに加えて、そのために集めることも禁止されています。

何をすると違反になる?

身近な例でいちばん分かりやすいのは、穴を開けることです。財務省のQ&Aは、わざと傷つけたり鋳つぶしたりすれば処罰の対象になるとし、硬貨に穴を開けることもこれにあたると明言しています。

造幣局も、硬貨に穴をあけたり、わざと曲げたりして傷つけると、違反になり罰則が適用されると答えています。工作に使ってよいかという問いへの答えも同じで、何に使うつもりでも、わざと傷つけたり鋳つぶしたりするのは禁止とされています。財務省は、硬貨は取引がうまく回るように作られているものなので、大切に使ってほしいとしています。

うっかり傷ついた硬貨はどうなる?

ここで分けておきたいのが、わざとではない傷です。条文そのものには「故意」という言葉は出てきませんが、財務省も造幣局も、故意に傷つける場合として説明しています。

使っているうちに磨り減った硬貨などについては、別の決まりがあります。決めているのは、通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の第8条です。政府は、磨り減るなどして使いにくくなった硬貨を、額面で、手数料なしに引き換えることになっています。

ただし、第9条では、模様が分からないものや、重さが大きく減ったものは無効とされています。溶けてしまった硬貨も、日本銀行の説明では、模様が見分けられるといった条件を満たせば、新しい硬貨と取り替えてもらえます。持ち込む先は日本銀行の本店や支店で、事前の予約が必要です。郵送では受け付けていません。

どこからが違反になる?

気になるのは、どの程度の傷なら違反になるのかです。造幣局は、硬貨を作る機関なので法律的な判断はできない、と答えています。どの程度の変形で違反になるかも、警察の取締りの対象になるかも、造幣局としては判断できないという立場です。問い合わせ先として挙げているのは、財務省理財局国庫課通貨企画調整室です。

造幣局の説明で線が引かれているのは、硬貨そのものを傷つけるかどうかです。実験に使う場合も、傷つけなければ問題ないとしています。硬貨を壊さずに成分を調べる非破壊分析は、硬貨を傷つけないので違反にはならない、という答えです。

ただし非破壊分析でも、公開の場で行ったり、結果を広く公表したりすることは控えてほしいとしています。理由として挙げているのは、硬貨への信認を保つことと偽造防止です。個別の使い方が違反になるかどうかは、このページでは決めつけません。

違反するとどうなる?

罰則は、条文の第3項に書かれています。違反した者は、1年以下の拘禁刑か、20万円以下の罰金です。

対象になるのは、第1項の「損傷・鋳つぶし」と、第2項の「そのために集めること」の両方です。第2項は、手を加える前の段階である、集める行為そのものを禁じています。

お札にもこの法律は関係する?

この法律の条文に出てくるのは「貨幣」です。通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律では、通貨を、貨幣と日本銀行が発行する銀行券の2つに分けて定めています。お札は日本銀行券なので、この法律の上では、貨幣とは別のものです。

財務省や造幣局の説明も、この法律を「貨幣(硬貨)」の話としています。お札をわざと傷つけた場合の扱いを説明した公的な資料は、今回確かめた範囲では見当たりません。

破れたり燃えたりしたお札は、日本銀行で引き換えてもらえます。残っている面積が3分の2以上なら全額、5分の2以上なら半額、5分の2未満なら引換えはできません。くわしくは破れたお札の記事にまとめています。

よくある質問

硬貨の写真やイラストを使うのは?

傷つけるのとは別の話で、別の法律が関係します。造幣局によると、硬貨とまぎらわしい見た目のものを作ったり売ったりすることは、通貨及証券模造取締法で禁止されています。

硬貨のことをもっと知りたい

硬貨の作り方は硬貨の作り方、穴のある硬貨の話は硬貨の穴の記事で紹介しています。

  • 貨幣損傷等取締法は、硬貨を損傷・鋳つぶすことと、そのために集めることを禁じる短い法律。罰則は1年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金
  • 財務省・造幣局は故意の場合として説明している。穴を開けるのも同じ。どの程度で違反かは造幣局は判断できないとしている
  • うっかり傷んだ硬貨は額面で引き換えてもらえる。お札は法律上、貨幣とは別のもので、破れたお札は日本銀行が面積で引き換える

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