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お札の紙は何でできている?原料のみつまた・アバカと、紙ができるまで

編集:お金をめぐる編集部 公開 更新 約5分で読めます
林の中に咲くミツマタの花
目次
  1. お札の紙の原料は?
  2. なぜ特別な紙が必要?
  3. 紙はどうやって作られる?
  4. どこで作られている?
  5. 年間30億枚のお札は、どれくらいの重さになる?
  6. 使い終わった紙はどうなる?
  7. よくある質問

財布の中で何度も折られ、機械を通り、ときには水にぬれることもある。お札は紙なのに、そう簡単にはぼろぼろになりません。ノートやコピー用紙とは、原料から違うからです。

  1. 原料は植物。みつまたや、マニラ麻とも呼ばれるアバカが使われている
  2. 手から手へ渡り、機械を通り、折られても耐える丈夫さと、触ってすぐ分かる手ざわりが求められる
  3. 紙を作っているのは、国立印刷局の小田原工場と岡山工場。年間およそ30億枚のお札は、1枚約1gとして計算すると約3,000トン

お札の紙の原料は?

お札の紙は、植物から作られています。国立印刷局によると、原料はみつまたやアバカ(マニラ麻)などです。

みつまたは、和紙の材料として長い歴史を持つ植物です。お札の紙に使われ始めたのは1879年で、そこから147年、今のお札まで受け継がれています。

もうひとつのアバカは、マニラ麻とも呼ばれる植物の繊維です。製造工程の説明では、紙を作る最初の段階で「アバカパルプ」を刻むところから始まっています。

なぜ特別な紙が必要?

お札が置かれる環境は、ノートの紙よりずっと厳しいものです。持ち主が何度も変わり、機械に吸い込まれ、財布の中で折りたたまれ、水にぬれることもある。国立印刷局は、こうした扱いに耐える強さがお札の紙には欠かせないと説明しています。

もうひとつは、偽造との関係です。色や風合い、指でさわったときの感じ。国立印刷局はこれを、偽札に気づくための「第一手」と位置づけています。手に取った瞬間の「いつもと違う」という感覚が、最初の守りになるわけです。

みつまたやアバカを使うことで、独特の感触と風合いを持ち、出回る環境にも合った丈夫な紙ができる、というのが国立印刷局の説明です。

紙はどうやって作られる?

紙づくりの工程は細かく分かれていますが、ひとまとめにすると、ほぐす・強くする・すいて切る、の流れになります。

  • ほぐす:アバカのパルプを細かく刻み、たっぷりの水の中で繊維をばらばらにし、まじりものを取り除く
  • 強くする:繊維をさらにすりつぶして絡みやすくし、薬品とまぜて、紙の元になる「紙料(しりょう)」にする
  • すいて切る:紙料を網の上に薄く広げて紙にし、乾かして巻き取ったあと、印刷用の大きさに切る

丈夫さの決め手は、真ん中の「強くする」です。国立印刷局によると、繊維がよく絡み合うほど強い紙になります。そこで、すりつぶす工程をはさんで、繊維どうしがからみやすい状態にしています。この工程を叩解(こうかい)といいます。工場では、こうした流れ全体を集中監視の装置で見ながら動かしています。

明かりにかざすと見える「すかし」が入るのは、最後の、紙をすく段階です。インキで刷ったものではなく、紙の厚みそのもので描かれているのはこのためです。すかしなどの工夫はお札の偽造防止技術のしくみにまとめています。

どこで作られている?

国立印刷局には6つの製造工場があります。工場ごとの業務を見ていくと、お札の紙を作っているのは小田原工場と岡山工場の2つです。

国立印刷局は、紙のほかにインキも自分たちで作り、絵柄のもとになる原図や原版から印刷、仕上げまでを一つの組織の中で通して行っています。紙ができたあと、版を作って刷り、検査するまでの流れはお札の作り方の記事にまとめています。お札を出す日本銀行と、作る国立印刷局の関係は日本銀行券とはでも触れています。

年間30億枚のお札は、どれくらいの重さになる?

まず、作られる量から。国立印刷局から日本銀行へ渡るお札は、1年にざっと30億枚あります。日本銀行によると、お札は1枚約1g、厚さは約0.1ミリで、額面による大きな差はありません。

年間30億枚のお札を、1枚約1gとして単純に計算すると、完成したお札の重さは約3,000トンになります。インキも乗った完成品の重さなので、紙だけの重さではありません。積み重ねれば約300km。軽いお札も、数がそろうとかなりの量です。

ちなみに、1円玉の重さは1gです。お札1枚と1円玉1枚は、ほぼ同じ重さということになります。お札と硬貨の重さの比べ方は、お金の重さの記事でくわしく計算しています。

使い終わった紙はどうなる?

日本銀行の目安では、一万円札は4〜5年程度、よく使われる五千円札と千円札は1〜2年程度で寿命を迎えます。傷みがひどくなったお札は日本銀行に戻り、二度と使えないよう細かく刻まれます。

そのあとが、紙ならではの行き先です。刻まれたくずの使い道は、意外に身近です。トイレットペーパーになるものもあれば、事務用品や、家を建てる材料、燃料になるものもあります。リサイクルされない分は、ごみとして燃やされます。お札だった紙が、最後はトイレットペーパーになることもあるわけです。

よくある質問

ほかのお札より少し小さいお札があるのはなぜ?

国立印刷局によると、お札の紙は天然繊維が原料なので、長く使ったり水にぬれたりすると、わずかに縮むことがあります。

お札をぬらしたり破いたりしてしまったら?

傷んだお札の引き換え方は、破れたお札の記事にまとめています。

  • お札の紙の原料は、みつまたやアバカ(マニラ麻)などの植物。みつまたは1879年から使われている
  • 繊維をすりつぶして絡みやすくする工程が、丈夫な紙の決め手。すかしも紙をすく段階で入る
  • 紙を作るのは小田原工場と岡山工場。年間30億枚のお札は約3,000トン(1枚約1gで計算)。使い終わった紙は、トイレットペーパーなどに生まれ変わることもある

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