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日本の硬貨の歴史は?戦後に今の6種類がそろうまでと形が変わった理由

編集:お金をめぐる編集部 公開 更新 約6分で読めます
平成二十九年の500円玉を指でつまんだところ
目次
  1. 今の6種類は、いつそろった?
  2. いちばん高い硬貨はどう移ってきた?
  3. 5円玉の材料はどこから来た?
  4. 100円玉はなぜ銀貨をやめた?
  5. 50円玉が5円玉より小さいのはなぜ?
  6. 硬貨の価値は何が支えている?
  7. 昔の硬貨は今も使える?
  8. よくある質問

今につながる6つの額面の硬貨は、1948年の1円・5円から1982年の500円まで、34年かけてそろいました。額面の高い硬貨が増えていく過程で、見分けやすさや偽造防止のため、穴・ギザ・大きさ・素材も何度も見直されました。

  1. 今につながる6つの額面は、1948年の1円・5円から1982年の500円まで、34年かけてそろった
  2. 額面の高い硬貨が増えていく中で、見分けやすさなどのために穴・ギザ・大きさが何度も見直された
  3. 100円玉はもとは銀貨。今の硬貨は、金属の値打ちではなく発行する政府への信用で使われている

今の6種類は、いつそろった?

今の硬貨には、それぞれ戦後の「始まりの姿」と「今の形になった年」があります。並べてみると、6種類が同時に生まれたわけではないことが分かります。

硬貨戦後の始まり今の形
1円玉1948年・黄銅(橘)1955年
5円玉1948年・黄銅(国会議事堂・穴なし)1959年
10円玉1951年・青銅(ギザあり)1959年
50円玉1955年・ニッケル(穴なし)1967年
100円玉1957年・銀(鳳凰)1967年
500円玉1982年・白銅2021年

今の形になった年を見ると、1959年と1967年に集中しています。どちらの年も、いくつもの硬貨がまとめて形を変えた年です。

いちばん高い硬貨はどう移ってきた?

硬貨の歴史をいちばん大きく動かしてきたのは、額面の高い硬貨が加わったことです。いちばん高い硬貨は、戦後に4回入れ替わりました。

  • 1951年:10円玉(当時いちばん高い額面)
  • 1955年:50円玉
  • 1957年:100円玉
  • 1982年:500円玉

新しい硬貨が加わると、それまでの硬貨と見分けにくくなることがあります。1959年はまさにそうでした。100円銀貨と50円ニッケル貨は、同じ銀白色でギザもあり、見分けにくいという声が出ていたのです。この年、10円玉はギザをなくし、50円玉には穴があきました。詳しくはギザ10とはにまとめています。

いちばん高い硬貨が100円玉だった期間は、1957年から25年続きました。自動販売機が増え、そこで売られる品物も値上がりしてきました。そうした事情から、1982年に500円玉が加わっています。

5円玉の材料はどこから来た?

意外なところにつながるのが、5円玉の材料です。今の5円玉の素材は、日本銀行の資料で「銅60%~70%」と幅のある書き方になっています。

造幣局によると、この幅は1948年当時の事情から来ています。軍が使った薬きょうや弾帯、信管といった黄銅のくずを、硬貨の材料にしていたのです。くずによって亜鉛の割合が30%から40%とまちまちだったため、決まりにも幅が持たされました。

10円玉の青銅にも同じように幅があります。こちらも、戦後の混乱で材料の質がそろわなかったことを考えたものと思われる、と造幣局は書いています。

現在は、すり減ったり汚れたりして回収した硬貨を溶かし、ふたたび材料に使うリサイクルも行われています。造幣局は今も、工業的に作るという事情から、この幅を持たせて管理しているとしています。

100円玉はなぜ銀貨をやめた?

1957年に出た最初の100円玉は、銀60%の銀貨でした。重さ4.8gで計算すると、1枚に約2.88gの銀が入っていたことになります。

銀貨をやめたのは1967年です。造幣局によると、事情が2つ重なっていました。

  • 自動販売機が広まって100円銀貨が大量に必要になり、需要が急に増えた
  • 電子工業などで銀の使い道が増え、世界的に銀が足りなくなった

そこで、100円玉と50円玉は、安定して手に入る白銅に切り替えられました。

50円玉が5円玉より小さいのはなぜ?

額面が10倍なのに、50円玉は5円玉より小さい硬貨です。これも1967年の切り替えに関係しています。

素材だけを白銅に変えると、額面の小さい50円玉のほうが100円玉より大きくなってしまいます。そこで50円玉を小さくすることになりました。ただ、5円玉は直径22mm、100円玉は22.6mm。50円玉を5円玉より大きくすると、100円玉と見分けにくくなります。

その結果、50円玉は5円玉より小さい21mmになったと思われる、というのが造幣局の説明です。最初の50円玉は直径25.0mmだったので、4.0mm小さくなったことになります。

硬貨の価値は何が支えている?

戦前の日本には金貨がありました。しかし、金を価値の基準にする金本位制がやめられ、1932年を最後に、ふだん使う金貨は作られなくなりました。

100円銀貨が白銅に変わったことも含めて、硬貨の材料は、値打ちのある金属から、手に入れやすい金属へと移ってきました。造幣局は今の硬貨について、材料の金属の価値ではなく、発行する政府を信用して使われている、と説明しています。

ここで注目したいのは、その後の素材の変え方です。500円玉は2000年と2021年に、偽造を防ぐために素材が変えられました。歴代の500円玉の違いは新旧500円玉の違いで比べています。

昔の硬貨は今も使える?

日本銀行の一覧では、今は作られていない昔の硬貨も、有効なお金として挙がっています。500円玉・100円玉・50円玉・10円玉・5円玉の昔の形です。100円銀貨や、国会議事堂が描かれた1948年の5円玉も、この中に入っています。

日本銀行が「有効な貨幣」として挙げている昔の硬貨は、今も額面どおり使えます。穴やギザは、他の硬貨と区別するためや偽造を防ぐためにあり、穴には材料を節約する役目もあります。

よくある質問

「円」という単位はいつ決まった?

明治4年の「新貨条例」で決まりました。「円」という名前になったわけは、資料が残っておらず分かっていません。

硬貨は何年くらい使われる?

造幣局によると、およそ30年使われると、すり減りや汚れが目立ってきます。ただ、傷んで回収されない限り、ずっと世の中を回り続けるものと考えてよいそうです。

硬貨の絵柄の意味は?

6種類の絵柄と、表と裏の決まりは硬貨の絵柄の意味にあります。

  • 今につながる6つの額面は、1948年の1円・5円から1982年の500円まで、34年かけてそろった
  • 額面の高い硬貨が増えていく中で、見分けやすさのために穴・ギザ・大きさが何度も見直された
  • 材料は銀から白銅へ。今の硬貨は、金属の値打ちではなく政府への信用で使われている

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