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硬貨の絵柄の意味は?1円玉〜500円玉の図柄が表すものと決まり方

編集:お金をめぐる編集部 公開 更新 約6分で読めます
たくさんの日本の硬貨
目次
  1. 6種類の硬貨には何が描かれている?
  2. 5円玉の稲穂・歯車・水は何を表す?
  3. 1円玉の木は何の木?
  4. 10円玉はなぜ平等院鳳凰堂?
  5. 硬貨の表と裏はどっち?
  6. なぜ普段使う硬貨には人の顔がない?
  7. 図柄はずっと同じ?
  8. 硬貨のデザインは誰が決める?
  9. よくある質問

1円玉から500円玉まで、日本の硬貨6種類には、どれにも植物が描かれています。5円玉の稲穂・歯車・水は当時の主な産業を、1円玉の若木は伸びていく日本を表すと、造幣局は説明しています。

  1. 6種類すべてに植物が描かれている。人の顔が描かれた硬貨はない
  2. 5円玉の絵柄は農業・工業・水産業、1円玉の若木は伸びゆく日本の象徴
  3. 硬貨の「表」は、年号が入っていない側

6種類の硬貨には何が描かれている?

ふだんは額面しか見ない硬貨も、表と裏を並べてみると、描かれているものに共通点があります。日本銀行の一覧をもとに、6種類をひとつの表にまとめました。

硬貨表裏今の形
1円玉若木なし1955年
5円玉稲穂・歯車・水双葉1959年
10円玉平等院鳳凰堂、唐草常盤木1959年
50円玉菊なし1967年
100円玉桜なし1967年
500円玉桐竹・橘2021年

並べて分かるのは、6種類すべてに植物が入っていることです。若木、稲穂と双葉、常盤木、菊、桜、そして桐と竹と橘。建物が描かれているのは10円玉の平等院鳳凰堂だけで、人の顔が描かれた硬貨はありません。

見比べると、裏に図柄がない硬貨も3つあります。1円玉・50円玉・100円玉の裏は、額面の数字と年号が入っているだけです。

5円玉の稲穂・歯車・水は何を表す?

6種類の中で、はっきりとした意味の説明があるのが5円玉です。造幣局の説明では、描かれているのは、この硬貨が生まれたころの日本を支えていた3つの産業です。

  • 稲穂:農業
  • 歯車:工業
  • 水:水産業

ここでいう「当時」は、5円玉が穴のあいた硬貨として登場した1949年8月のことです。裏の双葉は、戦後に民主国家として歩き始めた日本の象徴だといわれています。5円玉と50円玉の穴の話は硬貨の穴の記事にまとめています。

少し変わっているのが、文字です。絵柄はそのときから同じなのに、文字だけが書き改められました。1959年の改正で、「日本國」の旧字「國」が「国」になり、文字もゴシック体に変わりました。

1円玉の木は何の木?

1円玉の表に描かれた木には、決まった名前はありません。造幣局は「若木」とだけ呼んでいます。

モデルになった木を探すより、何を託したかを見るほうが分かりやすい絵柄です。造幣局によると、若木のデザインは、伸びゆく日本を表しています。

1円玉が出たのは1955年です。今つくられている6種類の中ではいちばん古い硬貨で、デザインは一般の人から募集して決まりました。アルミの1円玉が生まれるまでの経緯は1円玉はなぜアルミ?にまとめています。

意外なのは、表と裏が別々の人の作品だということです。表と裏を別々に審査した結果、表の若木と裏の数字は作者が違います。それから今まで、デザインは一度も変わっていません。

10円玉はなぜ平等院鳳凰堂?

この問いの答えは「はっきりとは分からない」です。造幣局も、当時の資料が残っていないため、選んだ理由ははっきり分からないとしています。

手がかりはあります。硬貨の図柄は、模様がきれいに出るか、簡単に偽造できないかといった点からも検討されます。10円玉は、戦後の復興期に初めて出たときには、いちばん高い額面の硬貨でした。そのため、偽造を防ぐために細かい図柄が選ばれたとも考えられる、と造幣局は書いています。

平等院鳳凰堂は京都府宇治市にある建物です。藤原頼通が、極楽浄土をこの世に形にしようと建てたものです。

裏の木は「常盤木」で、一年中緑の葉をつけている常緑樹のことです。日本銀行のページでは「常磐木」と書かれています。造幣局は、デザインを発表したころの字にそろえて「常盤木」を使っています。

硬貨の表と裏はどっち?

財布の硬貨を見て、どちらが表か迷ったことがある人は多いはずです。実は、法律では硬貨の表と裏は決まっていません。

造幣局は作業の都合から、年号が入っている側を「裏」としています。つまり表は、年号のない側です。10円玉なら平等院鳳凰堂の側、100円玉なら桜の側が表になります。

額面の数字が大きく書かれた側を表だと思っていた人には、逆の答えかもしれません。

こうなったのには、明治から続くいきさつがあります。

  • 明治のはじめ:龍の模様がある側が表と定められた
  • その後:龍の模様がなくなり、菊の紋章の側を表と呼ぶようになった
  • 戦後:硬貨に菊の紋章が使われなくなって、表と裏を見分ける目印がなくなった
  • そこで:いつも年号があった側を裏としました

なぜ普段使う硬貨には人の顔がない?

お札には肖像がありますが、ふだん使う硬貨にはありません。これも明治にさかのぼります。

新しい硬貨をつくるとき、欧米の国のように元首の肖像を入れる案もありました。けれども、天皇の肖像が人々の手に触れて汚れるのは恐れ多いとして、代わりに龍が描かれました。

その流れで、長いあいだ実在の人物を描いた硬貨は作られませんでした。初めての例は2010年です。地方自治法施行60周年の記念貨幣のうち高知県の分に、坂本龍馬が描かれました。

図柄はずっと同じ?

硬貨によって違います。表の絵柄が何度も入れ替わってきたのが100円玉です。

100円玉の表は、1957年に銀貨として出たときは鳳凰でした。1959年に稲穂になり、1967年に白銅の硬貨に変わったとき、今の桜になりました。

50円玉は、形や大きさが変わっても、表にはずっと菊が描かれてきました。500円玉は1982年に登場したあと、偽造を防ぐため、2000年と2021年に素材が変わりました。それでも図柄は同じままです。

硬貨ごとの重さや素材の違いは1億円は何キロ?で比べています。

硬貨のデザインは誰が決める?

図案をつくるのは、財務省の求めを受けた造幣局の職員か、募集に応じた一般の人です。どちらの場合も、最後は政府の閣議で決まります。

よく使われるのは、菊・桜・桐のように日本の暮らしになじんだ植物です。ほかに稲、富士山、寺院などの文化財も使われます。

ただ、今ふだん使う6種類には富士山は描かれていません。富士山が登場するのは記念貨幣のほうで、たとえば1964年の東京オリンピックのときに出た千円銀貨があります。

よくある質問

5円玉にはなぜアラビア数字がない?

造幣局の説明では、数字や文字の書体までふくめてデザインの一部です。5円玉には、アラビア数字のない今の形が選ばれました。ただ、なぜアラビア数字を使わなかったのかまでは、造幣局も説明していません。

硬貨に年号が入っているのはなぜ?

金貨や銀貨を使っていた時代に、金や銀の品位をはっきりさせるため、年号を刻んでいました。今も入っているのは、その習わしが残っているからです。

硬貨はなぜ丸い?

1869年、大隈重信の意見で、硬貨を丸くすることが決まりました。四角より使うときに便利で、角がないのですり減りにくい、というのが理由です。

  • 硬貨6種類には、どれにも植物が描かれている
  • 5円玉は産業、1円玉の若木は伸びゆく日本を表す。10円玉の平等院鳳凰堂は、当時の資料がなく選ばれたわけが分からない
  • 硬貨の表は年号のない側。法律で決まっているわけではなく、造幣局の扱い

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